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数ある経済指標の中で最も大切なものは何? それは、、、

皆様も、資産運用や住宅ローン、生命保険などについてFPの方々に相談することがあるかもしれません。相談先のFPが本物かどうかを見るための質問が、「世の中あまたある経済指標の中で、体温計となる基礎的な指標は何ですか?」という質問を投げかけてみてください。

#日経COMEMO  #NIKKEI

「金利」の正体

それは「金利」です、と即答できるFPは経済や金融のことはご存じな方です。

世の中にあるすべての金融商品で金利の影響を受けないものは皆無です。

・普通預金
・定額預金
・株式
・債券
・住宅ローン
・生命保険
・投資信託
・ETF
・デリバティブ(スワップ・先物・オプションなど)
・FX
・仮想通貨

これらの商品はすべて金利の影響を大なり小なり必ず受けます。

これほど広範囲に影響を及ぼす金利ですが、その正体は必ずしもはっきりと見ることができないのが実際ではないでしょうか。

「金利」をシンプルに定義付けしますと、お金の「貸借料」です。

お金の3つの機能

お金は、3つの機能を有しています。

➀価値の保存機能
②交換(決済)機能
③価値の尺度機能

現在、紙幣や硬貨といった物理的なもの、さらにはデジタルによる新たな電子通貨が出てきましたが、この機能は不変のものです。
お金はひとところに滞留しません。場合によってはお金に余裕がある人、法人は、お金の不足している人、法人に貸す場合があります。この時の借り賃が「金利」なのです。

一般の方々がもっとも金利を意識するのは、住宅ローンではないでしょうか。

これは、家を買いたい、しかし、現金でお金を貯めると30年かかってしまうので、金融機関からお金を借りて、そのお金ですぐに家を手に入れる、という事が普通に行われています。

この時、金融機関との間でお金の貸し借りに付随して支払うものが「金利」なのです。

お金の貸し借りができて我々は、高価なモノやサービスを手に入れることができ、豊かな生活をおくることができます。さらにモノやサービスを提供する企業などは、それにより経営を維持することができるのです。

つまり「金利」は、経済を回すお金の流通スピードをコントロールするものと考えられます。

「金利」を観察することでわかること

このように現代社会では金利を知ることで、経済が今どういう状態になっているのかをも知ることができるのです。

通常、金利の単位は%を使います。年利1%は、もし仮に100万円金融機関に預けたら1年後に1万円の利息が付くことを意味します(税金は考慮しません)。

しかし、金融機関などのプロの間では%は使いません。ベーシスポイント(ベーシス)(bp・bps)という単位を使うのが一般的です。

1%=100ベーシスポイントですので、1ベーシス=0.01%となります。

これは金融マーケットでは1ベーシス動くことはとても大きな影響が出ます。

短期金融市場では0.01%=1ベーシス 長期金融市場では0.005%=0.5ベーシス 単位の変動が目安ですので、プロの世界では、金利が0.5%上がることはとてつもない変化なのです。

この知識を今回の世界の長期金利の上昇に当てはめてみると、巨大な動きだという事が分かります。
今回、日銀が10年物国債の上限金利を0.5%まで許容する(事実上の利上げ)をしたことは、今後いろいろな金融商品に様々な影響が出ることが予想されます。
すでに住宅ローンの固定金利が上昇する兆しが現れたり、外国為替の相場が円高方向に振れるなどがその例です。

「名目金利」と「実質金利」

また、金利には「名目金利」と「実質金利」があります。

今までお伝えしてきたのは、「名目金利」のお話しでしたが、金利の本質は「実質金利」で見ていく必要があります。

その方程式は

「実質金利」=「名目金利」―物価上昇率

です。

この方程式から現在の経済情勢を考えてみましょう。名目金利は、例えば10年物国債が約0.5% 最近の物価上昇率が2~3%と仮定しますと、実質金利は▲1.5~▲2.5%程度となります。

すなわち、日銀が今回名目金利をあげてもそれ以上にインフレが進んでいるので、実質金利が追い付いていないのが現状なのです。

インフレ下の金利はどうなっている

分かりやすい例を挙げてみましょう。

100万円の車が欲しいとします。

今、定期預金の金利が名目金利と同じ0.5%とします。物価上昇率が2%とすると、今100万円の車は1年後102万円になります。

しかし、定期預金に預けていたお金は100万5千円です。すなわち銀行に預けていたお金は実質目減りすることになるのです。

まとめると、現在のようにインフレ率が名目金利を上回る場合、預金したお金は実質的に減ることになります。

このように、定期預金は元本を割らずに安心だ、ということではなく、インフレ下では預けたお金が実質目減りするということを理解することが大切です。

このように、「金利」は世の中の経済の状態をはかるバロメーターの役割を果たすのです。


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