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資産を円で保有することが最大のリスク

先日、興味深い記事を見つけましたので、その記事についての紹介と、ファイナンシャルプランナーとしての見解をお伝えします。

🔹記事の紹介
2022年5月3日のyahooニュースです。

以下はその記事で紹介されている経済評論家の杉村富生氏のコメントです。

「基本的に、いまは資産を円で持つことが最大のリスクです。これから円安が続きますし、個人のキャピタルフライト=資本逃避が始まります。

いま日本にある2000兆円の個人金融資産のうち、現預金が動き始め、壮大な円安トレンドが起こってきます。だから円での現預金をドルに変えるか、日本の株式に投資するかの二者択一だと思うんです。

株式はリスクが大きいと考える人は、ドルに変えればいい。これからはドルがいちばん強いと思いますから。もうそういう選択をしなくてはいけない時代になっています」

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b3654e2a06aaaec57c2e7329b3a21bbf7140947c


🔹ドル/円の推移
まず、現在ドル/円の為替がどれくらいで推移しているか見てみましょう。以下は2021年初めから現在のチャートです。
※tradingviewより引用

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2021年初めには100円くらいだったものが、現在130円ほどで推移しています。よく聞く言葉で言うと、円安ドル高が進んでいる状況です。
円安ドル高とは、円の価値が低くなり、ドルの価値が高くなることです。例えば、100円=1ドルの相場から見て、0.8ドルと交換する場合は円安ドル高となり、同じ100円でも少ないドルしかを受取ることができません。反対に1.2ドルと交換する場合は円高ドル安となり、同じ100円でも多くのドルを受け取ることができます。


🔹なぜ円安ドル高が進んでいるのか?
円安ドル高が進行するのには、様々な原因が考えられます。大きく考えられる要因を2つ挙げます。

1つ目は日米の金融政策の違いによる金利差の拡大です。日本では日銀が大規模な金融緩和を行い、企業の借り入れや住宅ローン金利の指標となる長期金利を低く抑えています。日銀は今後も現行の金融政策を継続する意向を表明しています。一方のアメリカではインフレを抑えるために金融引き締めを行っています。米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年に合計7回の利上げを行うことを示唆しており、今後もその上昇は予想されます。これにより日米の金利差が拡大し、より金利の高いドルを買う動きが強まっていくと考えられます。

2つ目はウクライナ問題です。ウクライナとロシアの間では、大規模な軍事衝突が発生しており、安全性が高い資産への動きが活発になったと考えられます。外国為替市場をみると、日本円やユーロを売り、安全性が高い米ドルを買う動きが起こったためと考えられます。

🔹円安ドル高への対策
今、日本ではインフレが起こっています。インフレとは簡単に言うと、お金の価値が下がることを指します。言い換えると、モノの値段が上がり続ける状態のことです。1単位の通貨で購入できる財やサービスの数が減っていることは、最近の値上げのニュースからも理解できると思います。円安ドル高やインフレの対策方法には、様々な方法があると思いますが、ここでは2つ紹介します。

1つ目は、冒頭の杉村氏コメントにもあるように、米ドルを持つことです。米ドルを持つための簡単な方法は、外貨預金や、外貨建て保険があります。資産の一部を米ドルで安定したを運用するメリットは今後大きくなりそうです。ただし、注意しなければいけないのは、今の相場で大きな金額でドルを買うと比較的少ないドルしか買えないので毎月や毎年など期間の分散は必要です。

2つ目は、米ドル以外のオススメの方法です。それは金や不動産を持つことです。
金は「有事の金」とも言われ、戦争や紛争、景気後退などの混乱が世界で起こると金の価格が高まる傾向があります。どちらかと言うと、金は資産形成と言うより、資産が減るリスクを抑える役割が大きいと思います。
次に不動産です。日本はインフレ傾向にあり、モノの値段が上がっています。不動産もモノに該当しており、不動産価格も上がっています。言い換えると、不動産を持つことでインフレを回避し、資産形成することができます。

最新の米ドル投資
こちらは番外編として、興味ある方は参考までに読んでみてください。最近では米ドルに連動したステーブルコインと呼ばれるものが暗号資産の世界ではリスク回避の方法として主流となっています。そのステーブルコインを持つこともある意味米ドルを持つことと同じでしょう。代表例を挙げると、USDT、USDCなどです。また、まだまだ発展途上ですが、ステーブルコインを使った金融サービスも増えてきています。興味ある方は調べてみてください。

🔹まとめ
暗号資産などのデジタルなお金が台頭してきていますが、米ドルがなくなることはありません。ましてや、ここ最近ですと、米ドルの存在はより大きくなっています。ご自身の資産を守るためにはまずは世の中の経済の流れを知ることが大事です。そして、知っているだけではないも始まりません。最新の情報を常に取得しながら、適切な判断、アクションを行って、資産を守り、形成しましょう。

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