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読書記録 2024.2

2月に読んだ本の記録。


苦海浄土 石牟礼 道子

先輩に勧められて読んだ、水俣病について書かれた本。

人間の尊厳について考えさせられるとともに、日本語の、水俣弁の美しさにとにかく惹き込まれた。
感情がぐわんと向かってくる感覚。これがたった60~70年前のできごとで、今も苦しんでいる人がいるという事実。
石牟礼さんはノンフィクションではないと発言しているため、これを史実として理解することは早計だが、日本の端でこういう公害があったこと。それに対して、企業や政府がとった対応について、知っておくべきだなと思った。

うるさいこの音の全部 高瀬 隼子

職場の貸出図書で借りた本。
高瀬さんの本は2冊目で、毎回読んでいてすこし嫌な気分になる。笑
人間の欲やエゴとか、他者を他者とも思わない態度とか、なんていうか、下品な人間がうごめいているのだけど、本人たちは自分のことを決して下品と思っていなそうな浅はかさを含めて、本当に嫌だ…ってなるのだ。
でもそれを表現できることがすごいのかもな、と思うし、なんだかんだ読み進めてしまう文章力があるのだと思う。
再読はしないけれど、また新作が出たら読んでしまうような気がする。

海辺のカフカ 上 村上 春樹

再読。
個人的に、村上春樹の作品は考察みたいなことをしたくなくて、ただただその世界に潜り込んでいくことがすき。
この作品に関しては、すきなキャラクターがたくさん出てくるのですき。
ナカタさん、星野さん、大島さん、とにかくたくさんの愛おしい人たちが出てくる。
少しだけ物語に触れるとすれば、ジョニー・ウォーカーさんのシーンはやはり流石で、目を背けたくなるのに読まずにはいられない文章力に毎度脱帽する。

海辺のカフカ 下 村上 春樹

再読。
わたしも山に籠って本を読む生活を1週間くらいしてみたいなあと思う。
大島さんのお兄さんが「兵隊には会ったか?」みたいなことをすんとした雰囲気で言うのがいい。
寡黙でも繋がっている感覚がある。言葉を尽くさなくても、経験が人を結ぶ。

大聖堂 レイモンド・カーヴァー

レイモンド・カーヴァーの短編を村上春樹訳にて。
正直なところ、非常に忙しい時期に読んだこともあり、あまり詳細の記憶がない。笑

  • 羽根

  • シェフの家

  • 保存されたもの

  • コンパートメント

  • ささやかだけれど、役にたつこと

  • ビタミン

  • 注意深く

  • ぼくが電話をかけている場所

  • 列車

  • 大聖堂

その中でも「ささやかだけれど、役にたつこと」と「大聖堂」は心に残る作品だった。
しかしながら、短編集を読んでいると、わたしは長編のほうがすきだという事実を突きつけられる。笑
もちろん、すきな短編だっていくつかあるのだけれど、やっぱりその物語の世界に沈み込む時間が長い方がうれしいんだなあ。

これ以外にもビジネス書を5冊読んで、2月の読書は9冊でした。
3月はあまり本を読めていないけれど、これから読んでいく所存!!


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