夏のかけら集めて
夏の朝、
よく晴れた日の海の色は白い。
日の光にぼわっと包まれ
空と海の境界が曖昧。
白い海に浮かぶ
帆が出ていない
セールボート一艘。
夏の船遊び。
船浮かぶ海はより魅力的。
個人商店並ぶ
影のできた小路を歩くと、
彩り豊かな野菜や果物が並ぶ
八百屋の店頭で
生あたたかい空気にのって届く
ほわっと甘い桃の香に包まれる。
ジリジリと刺す日に
蝉集団の鳴き声。
ふいにすっと風通る水辺に
ひらっと横切る赤い線。
何かと目を凝らすと
あぁ、この夏はじめての赤トンボ。
ひとつひとつは
なにげないことで、
人によっては
取るに足りないこと。
そんな夏のかけらを
集めるともなく集めて、
夏に親しむ日々の記憶。
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