見出し画像

はじめて会う見知らぬ人に花を贈るということ

「Primo Appuntamento」(Real Time)(プリモ・アプンタメント/はじめてのデート/待ち合わせ)というリアリティー番組を観ている。
元々は、イギリスのTV番組「First Dates」(Channel 4)のフォーマットからで、そのイタリア版になる。


内容としては、パートナーを求めて応募した人の在住地・嗜好・状況・年齢などを考慮の上、制作側によってマッチングされた人同士が、レストラン(クルーズ船・リゾートホテルシリーズもある)ではじめて顔を合わせて、一緒に食事をする時間内の印象で、その後も連絡を取り合ったり、交際するかどうか決断するというもの。応募者は、実際に会うまでは、相手の情報は知らされておらず、まったく知らない相手と会うことになる。成人している老若男女・異性愛者・同性愛者・LGBTQIA+ ・外国籍と様々な人が出演する。

事前に相手の情報を知らされていないという点が、結婚相談所を介しての引き合わせ(おそらく、候補者の情報を見た上で会うかどうか決めるのかと)や個人的にマッチングサイト等で関心がある人とやり取りしてから会う場合と異なるところだと思う。

この番組を観ていて気付いたが、何人かにひとりは、知らない人とはじめて会う待ち合わせでも、花を持参する。花を持参する人は男性の方が多いが、たまに女性でもいる。
花以外では、お菓子や、何か手作りするアーティスティックな人は自分の作品をプレゼントとして持参する人もいる。たまにだが、それが詩の場合もある。
何も持参しない人も普通にいる。割合としたら、半分かそれより多いか。
何か持参するかどうかはプラスの親切ではあるが、それがあるかないかで、食事後の決断に作用するかというと、そこまででもないかな?と見受けられる。
実際、食後の確認時には良い方向だったが、番組最後にその後、どうなったかの報告レポートが文字で流れると、かなりの割合で交際に至らないというケースが最近はほとんど。でも、ごくたまに結婚するカップルもいる。

そこで、ふとこのシチュエーションで日本ではどうだろうか?と考えた。

はじめて会う人に花を贈る行為……

おそらく、日本でも、恋人や配偶者、もしくは、まだパートナーになっていない段階でも好きな相手の場合は、何かの機会に花を贈ることはあるかもしれない。
また、そういった相手ではなくても、花を贈るのが一般的な場合、たとえば、舞台や展覧会、開店・転居祝い・送別会などには贈ることがあるだろうけれど……それは、また別の次元か。

ちなみに、イタリアでは、何かのプレゼントで異性(同性もだが)に花を贈る人もわりといるので、日本で花を贈るよりも心理的なハードルも低いかもしれない。
そして、男性の場合、それがキザにならないかどうかという心配もあまりしないのだろう。むしろ、花束や束ではなく1輪でも、男性が花を持っていると、周囲の見知らぬ人のまなざしも優しくなるようだ。
花屋さん以外でも、道行く花売りの人がいたり、レストランの席にそういう人が回って来た際に購入してプレゼントしている人もたまに見かける。

なかには、「花をもらいたくない」「花を贈り物に選ぶのは相手の好みをよく知らなくて無難だからだ」という声もなきにしもあらずだが、どちらかというと、花を贈られることを好意的に取る人の方が多いだろう。

このように検証していくと、花を贈ること自体は一般的なので、件のスイート99↓が店員さんに花を持参した行為も普通のようだが、知らない人から花を差し出されて喜ばしいことか否かは、イタリアとはいえ、やっぱりシチュエーションにもよるのだろう……


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?