一番蝉、鳴いた。
週末の朝は、いつもよりゆっくりの目覚め。
朝食後、ロールシャッターを開けた部屋で、日の光を受けながら、携帯でニュースや各種記事を確認する。
ジジジジジジジジジジジジジジジ……
あ、え?
蝉?
(イタリアの蝉は、ミーンミーン、カナカナカナ、ツクツクボーシではない)
よく耳を傾けようと、開け放しの窓辺に近寄り、外から聞こえる鳴き声を拾う。
やっぱり蝉だ!
この夏の一番蝉だ。
いつも、それほど意識をしていないので、気が付いたらいつの間にか鳴いていた、ということが多いが、今年は、わたしの一番蝉に気が付いた。
いや、もしかしたら、すでに鳴き出していたのかもしれないが、重要なのは、わたしが一番蝉に気が付いて、そのことで少しだけ嬉しい気分になれたということ。
日々は、そういった小さな楽しみと、時々来る大きな幸せや喜びによって構成されるのだもの。
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