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イタリアでカボチャとサツマイモ

カボチャとサツマイモ、イタリアでは、いつでも店頭にあるわけではないので(少なくともうちの近辺では)、最寄りのスーパーで見つけると、ついつい買いたくなったり、買わずとも「ああ、まだあるな~」と確認しては、なんとなくほっとする野菜なのだ。少なくとも、わたしにとっては。
そのわりに、一旦購入すると確保したということに満足して、比較的日持ちするということもあり、なかなか調理にかからない食材でもある(汗)。

イタリアに来た当初、カボチャといえば、日本で一般的なほくほくする種類ではなくて、うちの近辺では長細くて水っぽい種類のものが主流だった。そのため、しばらくはカボチャは購入しなかった。
そのうち、zucca delica(ズッカ・デリカ)という日本で一般的な種類のカボチャに類似したものが見られるようになったため、購入することにした。ただし、日本ではカボチャは年間を通して見られると思うが、こちらではそうでもない。春になると店頭から消え、秋になると戻ってくるように思う。まさに、秋の味覚のごとく。
冷凍食品にはカボチャ(カットして茹でたもの)は存在するが、一度、初夏にカボチャのスイーツが作りたくなって購入したものの、日本のカボチャに似ている種類ではなく、水気が多いタイプだった。
最近、前述のzucca delica以外に、栗カボチャ(zucca castagna)という品種もわりと気に入っている。こちらは深緑の皮ではなく、薄緑かオレンジがかったベージュでボールのようにまるい。皮は調理しても硬さが残るので、取り除いた方が食べやすい。やや水っぽさもあるが、なるほどほっくりとした栗の風味を思い起こさせる。口の中でもさもさしないところはよい。


サツマイモに関しては、しばらくは見当たらず、イタリアでもヴェネト州(市場に出荷されている約80%)やプーリア州では栽培されているとのことだが、最寄りのスーパーで販売され出したのは、2016年の冬頃からだ。
こちらで見るサツマイモは、日本で一般的な中身が黄色やクリーム色のものではない。よく見かけるものはオレンジ色だが、一度、白いものも購入したことがある。食べてみると味は甘いサツマイモの風味。イタリア語では、patata dolce(パタータ・ドルチェ)といい、直訳すると「甘い芋」の意味。patata amricana(パタータ・アメリカーナ)、「アメリカ芋」とも呼ばれる。

カボチャとサツマイモでは、品種を問わなければ、カボチャの方が一般的に食されているように思う。
サツマイモは、地域によっては見かけないかもしれないので、食べたことがない人もいるようだ。

日本では、特に秋になると、カボチャやサツマイモのスイーツが季節限定でお目見えしたりするが、イタリアでは、カボチャは、マントバ(ロンバルディア州)の郷土料理・菓子で耳にはするが、どこでも見つかるわけではないように思う。
サツマイモのスイーツになると、なおさら見つけるのは困難に感じる。
ジェラートのカボチャフレーバー・サツマイモフレーバーもあまり聞かないし、カボチャプリンもサツマイモプリンも市販のものでは見たことがない。
そのため、そういうものが食べたければ手作りすることになるのだが、こちらの人に一般的なドルチェのティラミスを、カボチャティラミスやサツマイモティラミスとしてふるまうと、意外な組み合わせに斬新さが感じられるようだが、たいてい気に入ってもらえる。


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