南伊女子と九州女子の共通点?
イタリア人の友人で、南イタリア出身の女性がいる。
仲間内で集まって、家での食事会やパーティー、レストランでの外食となると、彼女は率先してみんなにかいがいしく食事を取り分けたり、汚れた食器をまとめて運んだり、お店だったら脇に重ねてよけて、店員さんが下げやすいようにしたりする。また、みんなのオーダーをまとめたり、追加注文があったらそれも手配する。気を使わない仲間内だったら、各々、料理を自分で取ってもよいとは思うのだが、気が付くと手を動かして "働いている"ので、「そこまでしなくても大丈夫だよ!それぞれ自分でさせればいいから」と声をかける人もいるものの、「南の出身だから、ついしちゃうのよ(笑)」と言う。
その様子を見ていて、ふと思い出したのは、日本で働いた会社の九州支社の女性陣の振る舞いについてだった。
その会社には、当時、東京本社と九州支社があり、後に大阪支社ができた。社長は九州出身だった。
年末やその他会議などの機会に全員が集まることがあったが、その際の宴会の席での彼女たちの動きは素早く、そして、非常に自然だった。言われているからやってます感が微塵も見えなかった。
そういう所作というものは、やはり長年の暮らしの中で、その土地の雰囲気に馴染んで培われるものなのかもしれない。
意外なところで、南伊女子と九州女子の共通点を発見したような気がした。
さて、わたしは……と言うと、イタリアに来て「ワインをグラスに注いだりするのは男性がするから」と言われてからというものの、そういったことを必要以上にしなくなった。いや、自分がホスト役の時や、グラスが空いている人への普通の親切としては、するのだけれど。
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