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ロマンチストと支払いは関係するのか?

こちらでイタリア語学校に行っていた時のこと、1歳年上の先生(♀)が、プライベートレッスンを受けていたスウェーデン男子生徒の悩みについて話題にしたことがあった。

なんでも、彼はイタリア留学中に知り合った何人かのイタリア人女子とふたりでアペルティーヴォや食事に行ったりしていたそうだが、なぜか2回目のアポイントに繋がらなかったと言う。
そこで、見た目も悪くないし、会話だって普通にできそうなのにおかしいわね……と思いつつ、彼女はふと気が付いて彼に尋ねた。

「あなた、イタリア人女性と会った時の支払いってどうしてる?」

彼は、「それぞれが自分の分を支払っていますよ。スウェーデンでは、それが一般的なので。女性の分も支払おうとすると、対等に扱っていないと怒りますから」と言ったそうだが、イタリア女子の先生は「ああ、それよ!2回目のアポイントに繋がらないのは、きっと!」と応えたそうだ。
この先生はフェミニスト志向ではあるものの、そうは言っても、イタリア人女性は、デートの際には伝統的なアプローチの一種で、男性が支払うことを期待していることがまだ多いと説明した。
それは、学生のように若くても、たとえば、ジェラートぐらいの値段のものでも男子が奢ろうとするものだと。

イタリア語でgalanteria(ガランテリア/女性に対する親切な振る舞い)という言葉があるが、レディファーストにあたるものかと思われる。
「ロマンチスト」について記そうと、日伊両言語での検索していたら、ロマンチストの特徴としてはこちらの要素が含まれるようだ。

わたしの考えでは、ロマンチストと女性に対して親切に振る舞うか否かは、別のことと捉えていたものの、そうでもないらしい。
いや、ロマンチストな男性は、往々にして女性に対して親切であるかもしれないが、「女性とのアポイントで支払いをする=ロマンチスト」という式は腑に落ちないのだ。そういう人は、わたしの考えでは「親切な人」「気前の良い人」と言えるのかと思われる。

Uniplacesという大学生の賃貸に関するサイトによる全ヨーロッパにおける3000人以上へのインタビューの結果では、ヨーロッパ平均を上回る35%のイタリア人が男性が支払うべきと回答し、24%の女性が男性からの支払いを期待しているのに対して、40%の男性が映画代、もしくは、アペリティーヴォを支払うのは親切で、決して流行遅れではないと回答しているとのこと。

このデータについて周囲のイタリア人たちに伝えてみると、「実際には、もっと多いんじゃない?」という意見があり、これは学生を対象にしていて経済的な面でその数値なのかと訝るところがあるようだ。

イタリア人男性でも、「男女同権と言いつつ、支払いは男に頼るってどうなの?」と苦々しく思う人も中には存在して、たとえば、恋愛系やカップルに関するTV番組で、支払いの段階で割り勘を提案する人も10人にひとりぐらいはいるように見受けられる。

仲間内の人たちの同僚のイタリア人男性で、男性だけでの席とは言え、「デートで奢って、何も見返りがないんじゃ奢り損じゃないか!」と公共の場で口に出して言う人がいたとのことで、それは同じイタリア人男性の間でも、開いた口がふさがらないNG発言だそうだ。それは、思ったとしても口にすることではないと……
そして、支払うからと言って、何かしてもいいわけではないと……

日本では、年齢にもよるかもしれないが、どちらかと言うと、都心にいる人たちほど割り勘でも問題なく、地方にいると男性が支払うという感覚が強いと、四国出身の友人が以前に言っていたが、今でもそういうところは残っているのだろうか?

その昔、食事をして、お開きの時が近付くと、「はい、これ、よろしくね!」と相手分の金額を渡された経験が何度かあるが、それは友人だから全く構わないものの、気がある相手には払うものなのか?とも思った。

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