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レインボーマンス

「同性(女性)に、そういう感情を持ったことがありますか?」

20代半ば頃だったか、同じ時期に年下の男性ふたりにそう尋ねられたことがあった。
そのふたりは全く別の関係の人なので、しめしあわせてその質問が出て来たわけではない。
それぞれから電話がかかってきて、特に用事があったというよりは、おしゃべりがしたかったのだと思われる。
ひとりは趣味のサークルのメンバーで、もうひとりは友人の仕事関係の人だったが、その人と協力して友人からの頼まれごとを片付けるというミッションで知り合った。しいて言えば、「知り合い以上、友人未満?」という関係のふたり。

話題として、その頃にわたしが観た映画について話していて、その映画のいくつかが男性の同性愛(女性の同性愛ではなくて)がモチーフだったことから、彼らに冒頭の質問をしたい気持ちにさせたようだ。

「それは、ありません」

そう即答をしたものの、そういう質問が出てくる(しかも、ふたりから)とは青天の霹靂で、なんとなくモヤモヤして、女性の友人にそのことを話し、同じような質問をされたらどう思うか尋ねてみた。
彼女は、「そういう質問をされたことがないから、わからない……」と。

ただ、あとから思ったのだが、同性愛に理解があると自負しているにも関わらず、自分自身にそのことが関わって来るとモヤモヤしたりするのは、普段はそのことに理解があると豪語する母親が、自分の息子/娘がいざそういう立場だと知った時にはすんなり受け入れられないということに似ているかも……と。
そう思い付き、反省したのだ。

それにしても、色々な場面で、男性と女性ではこうも思考が異なるのだな!と驚くことが時々ある。

この出来事はそのひとつなのだが、同じ状況で、女性だったらこの質問は出てくるだろうか?
もしかして、女性を恋愛対象としている女性だったら、同じ指向かどうか確かめるために尋ねてみたくはなるかもしれないが。

とは言え、味の好みが変わったり、好きなジャンルが変わったりということは、人生の中で何度となくあることだ。
絶対にあり得ないということは、誰しも断言できないのではないだろうか。

あなたも、わたしも。


6月はプライド月間ということで。

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