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【編集と音楽編】 監督と編集担当の静かなる戦い #週刊MONDAYS #映画MONDAYS

※週刊MONDAYSは、映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』を観てくださった皆さんに贈る、特別連載……と銘打った、制作スタッフたちの思いの丈です。毎週月曜日にお届けいたします。

また新しい月曜日がやってきましたね。皆様、いかがお過ごしでしょう。

映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』をご覧いただき、誠にありがとうございました。

なんと先週金曜日から、急遽TOHOシネマズ六本木でも上映が始まり(!)、さらに全国10館で追加の上映が決まりました(!!)。大きな映画のラインナップに並んでいるMONDAYSを見ていると本当に不思議で……、皆さんの応援のおかげです。ありがとうございます。


すずめの映画が始まり、映画館はどこもすずめ一色ですが、どうかハトの映画のことも頭の片隅においていただけるとうれしいです……!

週刊MONDAYS、第5回は「編集・音楽編」をお届けいたします。大混乱しながらの編集や、素敵な音楽のお話など、たっぷりお届けいたします。

(文・制作担当/ 福田文香 編集/夏生さえり)


※本記事はネタバレを含みます。

作品をご覧になった後に、お読みください。



やはり一週間タイムループは、難問

MONDAYSの編集は、竹林監督と小林譲の二人で担当しました。映画『14歳の栞』やYouTubeの短編映画『もう限界。無理。逃げ出したい。』をはじめとして、数々の複雑な作品を乗り越えてきたタッグですが、そんな二人でも「1週間タイムループ」という特殊な設定のために、大混乱を極めた編集となりました……。

今回はなんと言っても「この複雑な設定の中で、観客の皆さんを混乱させずに、主人公の気持ちについてきてもらうか」が重要ですが、繰り返しの時間をどの程度省略していくか、どのくらいテンポをあげるかなど、取り組むべきポイントは山積みでした。

1週間タイムループでは同じ曜日が何度も出てきますが、それを「同じようで、少し違う日」であるように見せなくてはいけません。そのため、まずは曜日ごとに担当を割り振って取り組むことに。

ですが、ここでも「あの混乱」が発生。そう、「この月曜日は、何度目の月曜日?」問題です。作業に取り組めば取り組むほど、今がいつなのかわからなくなり、「日曜?」「ばか、月曜だよ」とやりとりしていた映画の登場人物のような状態に……。実際に、小林は先日の舞台挨拶で、度々何周目の何曜日か、監督に確認してしまったと言っていました(笑)


思えば企画〜編集まで1週間ループという自ら課した設定に奮闘しっぱなしですね(笑)


曜日ごとの編集が終わった後は、一本に繋げ、問題点を洗い出しながら、小林がぎゅっとテンポの良い編集をして、今度はそれを受けて監督が活かしたいシーンや尺を戻し、またそれを小林が受け取ってテンポよく詰める……とひたすらラリーをしながら進めていきました。

それぞれ自分のお気に入りのシーンが削られたり、短くなっていたりすると「あれ!?無くなってる!戻そ!」と静かなる戦いが繰り広げられていたそうです(笑)。

そんなバチバチな(?)ラリーを繰り返し、無事に編集の骨格が完成しました。


劇伴は撮影前から作り始めていました

映画を音楽で彩る劇伴は、竹林監督が過去に何度もタッグを組んだ大木嵩雄が担当いたしました。関西テレビ「おはよう朝日です」の「おきたらんど」というコーナーで、弊社キャラクターのラッコズが踊り狂っていた曲『ありそでないなさそであるよ』や、あさぎーにょ主演のYouTube短編映画「グッバイ、コスモス」など、数々の曲を一緒に作ってきた二人。

今回は脚本の段階で依頼をして、撮影前からデモを作ってもらうことに。

「月曜日の朝が一番せわしなく、忙しい空気を引っ張り続ける緊張感を出し、そのせわしなさをベースに、後半に向けてスケールアップしていくような一連の曲にしたい」など、細かなニュアンスも伝え、イメージを擦り合わせて作っていきました。

ブラームスの『Wiegenlied(子守唄)』

オープニングやエンディング、また劇中でも何度も出てくるブラームスの子守唄も、大木が編曲し、実際に生音で収録をしました。

監督が「夢をみていたとパッとわかるような記号性のある曲を、繰り返し印象的な部分に入れたい」と考えていた時に、ひらめいた「ブラームスの子守唄」。改めて歌詞をみながら聴いてみると「明日の朝は、神様のおかげで、あなたは目覚めるでしょう」という歌詞が入っているんです(まさにぴったり!)。

こんばんは、おやすみ、
ばらに囲まれて、
クローブをまとって、
上掛けの下に入って!
明日の朝は、神様のおかげで、
あなたは目覚めるでしょう。

劇中で使用している『Wiegenlied』の1番歌詞/Wikipediaより引用

実は、「女性が歌うver.」と「ボーイソプラノver.」の2種類を使っています。ある意図を持って使い分けているので、もしよかったらその真の意図も探ってみてください…!

lyrical school(リリカルスクール)

そして、音楽の話で欠かせないのが、lyrical schoolさん!
主題歌、劇中歌含めたっぷり合計4曲、lyrical schoolさんに楽曲をご提供頂きました。

先輩社員・森山が推している、あのアイドルです。

元々監督は、lyrical schoolが好きでよく聴いていたそう。
特に今回の主題歌『WORLD'S END』は、監督が大好きな映画の『ファイト・クラブ』のラストに使われている、pixiesの「where is my mind?」をオマージュしており、とても好きな曲だったとのこと。いつか劇映画を作ったら、エンドロールで使ってみたい!とずっと思っていたそうです。

他の劇中歌の3曲も、シーンと合った曲を使わせていただきました。歌詞とストーリーとが、リンクしているようなシーンも。

同じ曲でもシーンによって感じ方が変わるように工夫しているシーンもあるので、ぜひ歌詞にも注目していただけると嬉しいです。

lyrical schoolオフィシャルより、主題歌と挿入歌のプレイリストが出ていますので、こちらもぜひ聴いてみてください!

▼プレイリストURL
https://jvcmusic.lnk.to/lyricalschool_mondays


以上、編集と音楽編でした!

他にも、とある映画をオマージュしているシーンや、繰り返し使っているように聞こえる音楽もちょっとアレンジを加えていたりと、監督のこだわりは山盛りなので、ぜひご視聴をループする際は注目してみてください!

次回は、宣伝編!

ちょっと視点を変えて、ちいさな映画を売るためにどんな努力をしたか?をビジネスサイドから語っていただきます。かなり専門的な記事になってしまうので、有料で販売を予定しています。映画の内容そのものだけでなく、ビジネス面でのご興味がある方ぜひお読みください!

それでは、また月曜日!👐


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