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月曜日の図書館51-60

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#はたらくってなんだろう

月曜日の図書館 地味な宝物

月曜日の図書館 地味な宝物

〇〇株式会社50年史とか、△△学校100年のあゆみ、などといった本は、たいてい重厚感を出そうとして布張りの高級なつくりをしているため、ラベルシールがすぐにはがれてしまう。こんなときにはラベルの上からボンドを塗りたくるのがうちのやり方。最初にそれを教えられたときは絶句したが、確かにこの方法だとラベルは本体にしっかりとくっついてはがれなくなる。

筆または大胆に指で塗るため、あちこちにムラができて、乾

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月曜日の図書館 技を引き継ぐ

月曜日の図書館 技を引き継ぐ

カウンター業務のかたわら、郷土玩具の本をめくり、エクセルに文字を打ち込んでゆく。玩具の名前と、起源と、ゆかりの場所をリスト化するのだ。この地に伝わる素朴な玩具をこつこつ集め、いつか郷土資料コーナーに展示するのがわたしの夢である。

展示に必要なケースや資材はまだない。いつも年のはじめに「お金がふってわいたら買いたいもの」の照会がきて、毎年応募するのだが、残念ながら実現できていない。お金は大抵「トイ

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月曜日の図書館 諸行無常

月曜日の図書館 諸行無常

研究室の奥から、古老のインタビューが発掘される。100年くらい前、図書館ができた時に働いていた人たちの貴重な話である。

わくわくしながら読み進めると、××は軍人上がりで気位は高いが仕事をしないので△△係の仕事を押しつけてやった、とある。早速ディスっている。

奇しくも昔ここで働いていた、というおじいさんから電話がかかってくる。自ら「伝説の司書」と称して苦労話や自慢話を延々聞かせてくるので、携帯電

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月曜日の図書館52 わたしが何を探しているか、教えてください

月曜日の図書館52 わたしが何を探しているか、教えてください

図書館には、あると思ったものがなかったり、ないと思ったものがあったりする。

『明月記』の全文を現代語訳した本は(たぶん)存在しないが、漢の時代の中国の石碑に刻まれた文を現代語訳した本はある。

何を尋ねられても「そんなのわかるわけないじゃん」と一蹴してはいけない。逆に「そんなの簡単じゃん」と思って調べてみると、あたりをつけた本がまったくの的はずれだったということもある。

謙虚に、どちらの方向に

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