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ステイホームで得た、ホームタウン

ステイホーム期間、と言われていた時期が終わりになりました。これから、新たな展開に入っていくために、個人や社会が動き出していく日々がやってきました。

外出を自粛し、仕事も普段と違うやり方で進み、家族との時間が増えた一方で、不安なことはいくつも生まれるような、そんな日々が懐かしくもあり、再び同じような生活になるのもまた怖い気がしています。

職場に行かないと仕事ができない、という性質の業務が実はリモートでも出来るんじゃないかという発見は、多くの仕事で得られたことかも知れません。

期間中に、多くの家庭で直面したのは、「家族が家にいる」という当たり前の、でも無意識だったことへの対応の煩わしさだったのではないでしょうか。

なかでも食事は、誰に聞いてもあいさつのように困った困ったと言っていましたし、僕自身もそう思っていました。

僕の住んでいる稲城では、稲城お弁当プロジェクトという、テイクアウト対応している飲食店をマップに落とし込んで情報提供する取組が始まり、ぐんぐん広がっていました。どちらかというと食べる側ではなく作る側の、飲食店支援のために始められた市民活動で、あと追いで地元の商工会や市役所が協力しています。

食事を毎回作ることへの負担感、そして食材を買いに行くことで感染するかもという不安、外食も行きたくない。

そんな親たちの心を掴み、そして癒したのは、フェイスブック上で続けられている数々の投稿だったと思います。

地域の数々の店が、テイクアウト対応を余儀なくされた一方で、マップを利用している人は今まで知らなかったお店の美味しそうなお弁当(テイクアウト容器に詰めた状態を“お弁当”と表現しています)と出会い、明日のごはんを決めて安心している感じが画面から伝わってきました。僕はただの利用者として、みんながつながって、安心して生きていける地域をつくりつつあるのを、目撃というか毎日見つめているような感覚でした。

いつしか、飲食店支援のためのプロジェクトという枠を超えて、ひとつひとつの投稿の質がとても温かくなっていることに気がつきました。はじまった頃は、テイクアウトした食事の写真と店やメニューの紹介だけでしたが、いまは、それぞれの投稿者の気持ちや、さらにはお店の方が御礼を書き込んだり、会ったことのない市民同士が対話をしていたり、さらに別の取組みが進んだりと、個人的にとても胸が熱くなる展開となっています。

ここまで、僕の足元の地域のことを書いてきましたが、この期間にいろいろな地域で、多くの方が同じような経験をされていると思います。

“地域”から、“自分たちが住んでいる地域(ホームタウン)“へと変わっていることに気がついた、という話でした。

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