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あの絵も、この絵も、ここで待ってる

毎週月曜日は、旅の記録を書いています。

「行ってよかった美術館」ランキングをご存知でしょうか。日本各地の美術館の中から、公募で選ばれるランキングだったように記憶しています。ランキングを見てしまうと、そのトップを知りたくなるものです。

いくつもの美術館が選ばれている中で、第1位の美術館に行ってみたいと思うのは、必然のような気もします。

僕が見た当時、トップだったのは「大塚国際美術館」でした。

大塚?・・そして国際?・・失礼ながら、まったく知りませんでした。

調べてみると、大塚というのは地名ではありませんでした。そして、東京でもなく、四国の美術館がなぜ?と思ったのです。収蔵している作品などは、展示していないと残念なので、あえてあまり深く調べることなく、場所を確認する程度で、出発。

四国へ行ったことが無かったので、それも楽しみでした。うどん県と名乗っていた香川県が近いということもあり、香川県に宿をとって、夜行バスで徳島へ。

うどんを食べつつ、いろいろな場所が見たくて、細切れの行程を組み、大塚国際美術館に到着。建物の大きさ、雰囲気に圧倒されました・・入場料も、当時の感覚では、ふつうの美術館の2倍や3倍といったイメージ。ちょっと怯みました(笑)

ここまで来て、美術館を見ずに帰るわけにもいかない・・と、チケットを購入し、エスカレーターに乗って進むと、美術館とはいいつつも、本物の絵画ではない・・といった説明が。

原寸大の絵画を、陶板に転写した作品を展示するという、独特な美術館だったのです。ちなみに、「大塚」は「大塚製薬」の創業者のお名前からでした。正直なところ、本物の絵じゃないのに、入場料が高いのが・・と思ってしまいました。

しかし、広大な美術館の価値は、実際に見てみないと分からないものばかりでした。

古代ローマの時代から、現代のアートと呼ばれているジャンルまで、あらゆる作品が展示されており、一日いても足りないくらいの量がありました。中でも、「システィナ礼拝堂」のレプリカは、見事でした。

数年後に、イタリアで実物を見る機会がありましたが、天井を見上げるという距離感もあり、遜色ない印象でした。建物に入るまでに、数時間の行列を待つといった時間が必要でもありました。建物の歴史や、その雰囲気は違うものの、フレスコ画の最高峰を目の当たりにできることは、とても価値がありました。

遠くへ行かなくても、イタリアやフランスの絵画、ニューヨークのアートなど、様々な絵を見ることができる美術館だったのです。どの絵も、陶板に印刷されているだけなので、本物の肉筆感はないものの、本でみた写真よりも大きく、原寸大であることの意味はあると思いました。

いまのようなご時世を考えると、海外にいくことすら難しくなっており、本物ではなくとも、各国の、そして各時代の芸術作品を観ることができるのは、もはや救いでもあるように思います。

あっという間に時間が過ぎてしまい、僕は、予定を変更して美術館にいることにしました。

一昨年、年末の歌番組で、この美術館にあるシスティナ礼拝堂のレプリカの中で歌う映像が流れ、一躍有名になりました。

僕は幸いにして、本物とレプリカを比べるという機会に恵まれましたが、本だけでしか見られなかった作品の大きさを知る、ということだけでも、芸術家の凄みを知ることができたと思います。

帰ってきて「行ってよかった美術館ってどこ?」と聞かれたら、「大塚国際美術館」と答えていた僕がいました。

天井全体がフレスコ画で覆われた雰囲気は、とても日本とは思えない、一瞬でイタリアに来たような、とても不思議な感覚でした。そんな風景をサムネイルにしていただき、infocus📷さん、ありがとうございました!

#大塚国際美術館 #美術館 #徳島 #旅 #ひとり旅  

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