あなたなら、どう使う? #書もつ
新生活が始まる季節になってきました。新しい暮らしへ向けて準備を進めている方もいらっしゃるかと思います。noteを始めてみた方も、きっといるはずです。
新しい季節に、新しいこと、本を読むことを始めてみたい方に向けて、書いています。先週に引き続いて、短編の作品を紹介します。
先週は、ジェットコースターのように楽しめる短編集でした。あんなに沢山の世界観を見られる作品を見つけられたのは、嬉しい発見でした。
毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。
読書が苦手な人からは話を聞いてみると「何の得にもならないのに架空の物語を読むのは・・」とか、「読む時間が惜しい」といった声が聞かれます。そんな方に、「きっと役に立つ、家族の物語」を紹介したいと思います。
三千円の使いかた
原田 ひ香
タイトル作品のほかに5話が納められています。
人は三千円の使い方で人生が決まるよ、と祖母は言った。
こんなふうに始まるので、すぐに分かると思いますが、物語全体を通じたテーマはお金。お金の使い方について、ある家族とその周囲の人々を描いています。登場人物はやや多いのですが、それぞれの人物が暮らしていく中で、お金に関する悩みを吐露していきます。
タイトルからして、ちょっと腰が引けてしまう人もいるかも知れません。でも、大丈夫、何か金融商品を押し付けられるわけでもないし、一つの提案として、一つの家族のやり方として、隣の家からちょっとだけ眺めて見ているような感覚で読むことができるはずです。
僕も、お金のことを考えたり、お金のことを話したりすることが結構苦手でした。今も好きになってはいませんが、本を読んだり、こうして考えていることを書いてみたりすると、少しずつですが分かってきたようにも思います。
お金と暮らしは、密接に繋がっていて、その暮らしを自分がどのように感じているのか、そして周囲からどのように見えているのか、そんなことを考えながら読める作品でした。タイトルの通り、三千円の使い方を考えてみたら、確かに人によって様々だろうし、それが子どものときにはとても大きな金額だったと思うけれど、今はどうかと振り返ってみたりする、そんな機会になりました。
一つ一つの話が、どれもしっかりと編まれている印象なので、興味のある話だけでも読む価値がありそうです。ネタバレしてしまうのは申し訳ないのですが、どの話も最後には、ちゃんと安心できる結末が用意されているので、そういう不安が苦手という方でも大丈夫・・だと思います。
この作品を読んで、まだまだ自分が勉強不足であることを知ったし、もっとお金を使って、自分や家族のために将来を見据えてもいいかなと思えるのでした。みんなが、この作品の家族のように暮らしているわけではないけれど、とてもリアルなお金の話を読むことができました。
新しい季節へ向けて、家族会議・・お金のことは暮らしのこと、そんな雰囲気のサムネイルでした。infocusさん、いつもありがとうございます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd