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考えるんじゃない、感じるんだ

2021年をいろんなテーマやきっかけで振り返っています。こんなに振り返ってばかりいるのも学生時代のようで久しぶりの感覚ですが、お題の中に見逃せないワードを発見しました。それは「2021年のおすすめアート」というもの。

アートなんて・・とちょっと距離を置いてしまう方、それはとても勿体ないことです。なんと言っても、アートの楽しみ方は誰かに強制されるものでもないし、そもそも楽しむことが正解かどうかもわからないものです。

こんなことが言えるようになったのも、この作品のおかげでした。

それまで僕は、アートは歴史や知識、作り手への敬意のようなものを内包した、受け手の人格によってその価値が見つけられるもの・・だと信じていたのです。つまり、とても高尚な世界。

・・もちろん、そんなことはありませんでした。美術館に行かなくても作品を知ることが可能になった現代だからこそ、いわゆるアート思考(自由に発想すること)は必要な姿勢でもあると思うのです。

そんなわけで、自由に考えていいんだ、と気持ちが楽になった僕は、アートそのものというか、旅やエッセイの中でアート作品を登場させてきました。特に、職場の近くにある浮世絵のギャラリーの年間パスを購入するという転機に恵まれ、浮世絵については何度も何種類も、目の当たりにすることができました。

そんなアートに関する投稿をまとめたマガジンも作っていますので、お時間と興味のある方は覗いてみてください。

そして、本題の今年のおすすめアート・・それは、浮世絵です。今年は、葛飾北斎が注目された年でした。都内の有名なギャラリーや美術館でも、北斎の作品をメインに展示する企画展が開かれていました。また、歌川国芳も没後160年に当たっており、こちらも記念の展覧会がいくつもありました。

上記マガジンの投稿にもありますが、僕の”推し”浮世絵師は「歌川国芳」です。豪快な構図と表情ながらも、色彩感覚がとても繊細。画面からは力を感じ、見るものを元気にさせる不思議な魅力のある作品が、とても多いのです。

正統な作品作りで実力を高めつつ、政治の力による制作への弾圧をしたたかにかわし、皮肉や風刺をこめて、庶民への励ましを忘れないといった、まさに大衆の味方のような作り手でした。

そんな彼の絶筆(最後の作品)は、港町の商人街を欧米人と商人が行き交う「横浜本町之図」。端正な建物の描写と、緻密な表情や服装の再現など、それまでの豪快で派手な作風とは一変した、落ち着いて洗練された作品でした。

僕が訪れるようになったギャラリーで、その作品を観ることができて、とても感激したのが昨日のようです。

浮世絵は、当時の娯楽の一つでした。

版元というスポンサーがいて、雑誌のように印刷して売るため、一点ものの西洋絵画とは趣が異なりますが、のっぺりとした画面からは当時の人が何を大切にしていたのかが窺い知れるように思いました。

来年も、またいろんな作品に出会って、ああでもないこうでもない・・と自問自答したいと思います。

今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。

”推し”の国芳に関する記事はこちら



この投稿が、年内最後の予定です。

今年は、一年通して毎日更新が出来ました。みなさんに読んでいただいてリアクションいただいたり、楽しい企画に参加することができたことが、継続につながりました。

来年もまた、ゆるゆると続けていけたらと思いますので、ぜひ読んでやってください。

みなさんとご家族が、穏やかな年越しを迎えられますよう、お祈りしています。

今年もありがとうございました。



#アート #振り返りnote  #2021年のおすすめアート #浮世絵 #国芳


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