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100年前の暑い日と作家と #書もつ

先日、都心は100年ぶりの暑さを記録しました。温暖化でどんどん暑くなっていると言われていますが、過去にも同じくらい暑いタイミングがあったということなのでしょう。

ふと思い立って、100年前の年号を調べてみました。100年も前に生まれた人にはどんな方がいるのか。すると、僕でも知っている名前がありました。

外山滋比古さんをご存知でしょうか。

彼は、1923年の11月3日生まれでした。なんとなく読みづらい名前・・苗字と名前の区切り目はまだ分かります。しかし、名前はどう読むのか・・と思われた方もいるはずです。

彼は、大学で教鞭をとっている時代もあり、学生から「ジビフル先生」と呼ばれたこともあるそうです。(読みは、とやましげひこ、さんです)

彼は、日本語についての研究から、翻訳、言語学、あるいは人間関係論など幅広い分野で著作を残しています。僕も、何冊か読んだことがありますが、この投稿のために調べてみると、本当にたった一部しか読んでいなかったのだなぁと思わされました。

読書系SNSの読書メーターから、過去の自分の感想を引きながら、彼の著作を紹介します。


思考の整理学

思考とは、考えるとは何か、読むとは何か。30年前に書かれた作品らしい言葉の使い方でしたが、内容は現代に通じる、若者への示唆でした。いつの間にか、グライダー人間が形作られている教育制度は置いておいて、創造的で豊かな思考ができる人間にならねば、社会での居場所が減っていくのかも知れないと、ドキッとする感覚は大切にしていきたいと思えるのでした。少しづつ、この本を噛み砕いて、実践していけたらいいなぁ。

僕が大学生の頃、全国の生協でベストセラーと謳われていた作品。(今は、哲学者の國分功一郎の著作がその座に就いています。)考え方、知識の整理のやり方など、やや古めかしいながらも、とても丁寧に書かれていました。


アイディアのレッスン

アイデアが出ないとき、どうしたらいいものかと悩むよりも、別のことをしなさい。という、実践できそうでなかなか難しい決断について、あれこれと老師が丁寧につぶやいています。潜在的な能力は皆平等なら、試してみたらどんどん成長できるのかなぁ。困ったときの、知らんぷり。あ、枕上のひらめきが(笑)

前述した「思考の整理学」のゆる実践版といった趣でした。アイデア、企画、気づきなど、現代にあっても仕事でも人生でも、役に立つ技術なのかなと思います。


おしゃべりの思想

なるほど、我々の使っているのは日本語のようなものなのかと、納得したような怖いような読み終わりでした。食べ物も、〜のようなものが溢れて、食べて生きる我々は人間のようなものなのかも知れないと感じたのと似た、不穏な心境になりつつも、とはいえ言葉はコトバ、仕方ないとも思うのです。老師のおしゃべりに付き合うと、少しづつ賢くなっている気がします。句読点、なるべく減らそ。

すっかり書いている内容を忘れてしまったのですが、筆者らしく日本語や社会を危ぶむような、そんな不安を吐露した作品だったかも知れません。本来の日本語のような概念は分かりそうですが、どうしても言葉は時代や社会で変わってしまうもの、色々と考えてしまうかも知れません。


生誕100年・・つい最近までご活躍されていたように思いましたが、3年前に逝去されていたのですね・・。膨大な著作は、これからの日本人を形作る大切な作品になるでしょうね。


100年前と聞くとかなり古い感じがしますが、人も生きるとなると、その長さは短く感じられるようになるのでしょうか。ちょっと不思議なサムネイル、infocusさんありがとうございます!


#推薦図書 #読書の秋 #外山滋比古 #生誕100年 #日本語

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