嗚呼、カヤトースト
兄弟でいくはずの海外旅行が、急遽ひとり旅になってしまったシンガポールへの旅でのこと。
お正月旅行ということで、なんとなく浮かれていたし、寒い日本を離れて温暖なシンガポールへの旅は、綺麗なアジアという、新鮮な経験を与えてくれました。
毎週月曜日は、旅の記録を書いています。
カヤトーストは、シンガポールではとてもポピュラーな朝食メニューです。カヤは、ココナッツミルクと卵を合わせたペースト(ジャム)のことらしく、確かに街中のスーパーやお土産物屋さんでは、カヤジャムという商品が売られていました。
そう考えると、ご当地ジャムというか、その国独自の食文化を表すジャム的なパンに塗るものって、ある気がします。ピーナッツバター、メープルシロップ、ヌテッラ(イタリアのチョコクリーム)・・日本はなんでしょうか。個人的には、餡子かな。
さて、そのカヤトースト、美味しいお店のを食べたい、しかも安く食べたい、そんな気持ちになるのは、旅先では当然のこと。
拙い英語で道を聞きながら、視線を落としすぎないように注意しつつも、結局、前後不覚になってしまい、立ち止まって見いる地図など、旅先でのあるあるを経験しつつ、探しました。
ひとり旅になると、俄然動きたくなる僕の性格もあって、当日は午前中にツアーを申し込んでいました。ツアーはホテルに迎えにきてくれることになっていました。
カヤトーストの美味しいお店は、地図を確認するとホテルから歩いていけそうでした。地下鉄は通っていない場所でしたし、当時は歩いて移動することは一番コスパがよくて、安全だと心得ていました。
歩き始めて10分・・道はあっているのだけど、ぜんぜん進まない。改めて、地図を確認すると、思っていた縮尺とは違っていて、片道で30分程度の道のりだということが分かりました。
ホテルの朝食はつけておらず、付近の店も良くわからない状況だったこともあり、とにかく目指しました。
ようやくお店にたどり着くと、眼光鋭いおじさんが「何?カヤトースト?はいはい、観光客?」と詰めてきたので、「お、お願いします・・」と恐縮。
さっと出てきたカヤトーストは、サクサクに焼いたトーストにトロトロの目玉焼きが別皿に載っていました。
あれ?カヤって何?どこにあるの?と思って、観察していたら、壁際にいて僕をじつと見ていたおじさんが大股でやってきて、無言で卵に醤油をかけ胡椒を振り、近くの箸で潰してぐるぐると回し、トーストに載せたのです。
は「This way!」と一言。いつまで経っても食べられない観光客だと思われたのかもしれません。
慌てて口に流し込むように食べて、甘いコーヒーを呑みながら、もっと優雅な朝食をしてみたかった・・と思いつつ、店を後にして小走りでホテルに戻りました。
ホテルの入り口にはツアーの車が来ていて、慌ててロビーに駆け込み、ガイドさんらしき人に声をかけると、背後から声をかけられて驚いていました。そしてツアーへ・・。
あれ、どこに行ったツアーだったか思い出せない(笑)
カヤトースト、正解を確かめたい。
ひとり旅になった経緯はこちらに。
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