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たびのことわざ

夏休みは家族で、祖母の住む九州の離島に行くことにした。飛行機を乗り継ぐ旅は、小さな子どもがいると緊張感がある。娘は、海のある島の風景が忘れられないのか、絶対に海に行きたい、なんて言っていた。

出発が近づいた日、妻の具合が悪くなってしまった。数日の入院が決まり、その後に予定していた旅行はどうするか、迷った。また来年、行けばいいんじゃないかな。意思を確認したくて、娘に聞いてみた。

娘の決断は「お母さん来れなくても、行きたい!」だった。実は、母親が数日間そばにいないことは、まだ経験していない娘。迷っていた親たちを置いて、潔さがあったのは娘だった。

娘と途立つ日、意気揚々と歩く姿に、凛々しさすら感じてしまう。

旅先では、寂しい思いもしただろうけど、よく遊び、よく食べ、よく眠った。島から帰るとき、日焼けした笑顔が輝いていた。

「可愛い子には旅をさせよ」なるほど、娘は成長していた。

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