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真実は、いつもひとつ!

1994年1月、とある漫画の連載が始まった。僕は小学5年生だった。それから30年経ってもなお、世代交代というより、むしろ世代を拡大してファンが生まれている作品が「名探偵コナン」である。

たいてい探偵ものは、おじさんが主役の世界観だった。コナン登場直前には、高校生探偵もいた(金田一少年)。しかしそこに、かわいい子どもが登場したのである。見た目は子ども、頭脳は大人・・当時は、子どもには難しいのでは?子どもには残忍なのでは?と、子どもながらに思っていたが、あれよあれよとアニメ化され、映画化され、こんにちに至っている。(雑な説明)

話は変わって、子ども向けの映画作品というとどんなものがあるだろうか。

我が家の場合は、ポケモン、アンパンマン、プリキュア、ドラえもんという変遷を辿っている。子どもの性別によっても変わってくるだろうけれど、おそらくみんなこんな同じだろう。

そこへきて、名探偵コナンは、果たして何歳くらいからが楽しいのだろうか。観たい!と言った我が子は、小3である。僕がコナンと出会った年齢よりもまだ下だった。正直、大丈夫なの?と思ったけれど、ふだんは怖めのアニメ版コナンを観ているので、免疫はありそうだ。

実を言うと僕は、映画版コナンを劇場で観たことがなかった。ほかに観たい作品があったから、と言えばそれまでだけれど、そこまで観たいと思える作品ではなかった。

映画が始まった頃は、もはやコナンの話をすること自体が恥ずかしいと感じてしまうような年頃でもあった。

コナンはいつまでも7歳だが、僕は歳を重ねていたわけで。

映画館のタイムテーブルとして、子ども向けの作品は早めに上映するという傾向がある。今回行った調布の映画館もまた、日曜日の朝、8時20分と8時40分の2スクリーン体制で待ち構えていた。

普段の日曜日なら、僕だけがいつも通りに起きて、そこから3時間ほどひとり時間を謳歌している。休日くらい寝かせておこうと、8時になったら、ようよう寝室に行って、家族を起こす。

余談だが、僕は他人が寝ているのを起こすのが、ものすごく苦手で、できれば起こしたくない。あまりにも苦手だから、起きたかどうか確認せずにその場を離れ、あとから「起こしに来たんじゃなくて、”起こさない”に来た」と言われてしまったことがある。

そんな睡眠習慣での、8時台の上映開始である。普段なら間に合わない。しかし、その日いつもの日曜日よりもゆっくり6時ごろ起きた僕と同じくして、子どもが目を開けた。コナン、つよ。

朝から同じような時間帯に2つもスクリーン開けるなんて、そんなに人気なの?と訝しんでいたが、実際、劇場はほぼ満員だった。

プリキュアのときに見かける、コスプレをした子どもは流石にいなかったが、親子や、中高生の友達同士といった子どもたちが目立った。そして、朝だというのに多くの人が山盛りのポップコーンを持っていたのも驚いた。

映画の内容をここで書くことは控えるが、僕が想像していたコナンとはかなり違っていた。オープニングが和風に作られていて、そのままの雰囲気で幕末の函館、土方歳三が登場する・・って、思いがけず見入ってしまった。(書いた後で、いや順番逆だったなと思い出した)

夢中で観ているうち、物語が中盤に差し掛かって、ふと気がついた。隣に座る子どもを気にすることなく映画に没頭できるようになったのは、いつからだろう。

子どもの方も、かつては「いまの何?」「なんて言ったの?」などと聞いてきていたが、難しい言葉があってもとりあえず受け止めて、文脈から理解しようと努めていたように感じた。

映画館で観ると、ついつい感情移入して大抵の作品で泣いてしまうのだが、今回は無事に観終わりそう・・なんて思っていた終盤に、あっさりとやられてしまった(笑)緊張感のあるセリフの間、わずかな無音に、音楽がスッと流れ出す。あぁ、これは泣いちゃうやつだ、と思った時にはすでに遅かった。

史実と創作を織り交ぜて、コナンを縦横無尽に動かすその創造性に驚かされる。例えば日本の各地を舞台にすることで、ちょっとした観光資源にもなりそう(実際そうなっている)だなと思った。

それまでも、映画版ではさまざまな人物やエピソードが絡んで伏線がいくつも敷かれ、終盤に回収する流れは知っていたけれど、今作はいつも以上に人物像が浮き彫りになった印象があった。


子どもと一緒に映画を観ることは楽しい。僕はどんな作品でもつい見入ってしまう真面目な観客(笑)なので、子どもの成長を感じつつ色々な映画を観てみたい。


#コナン #映画 #子どもの成長記録



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