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私にそんなこと言われても…

「私にそんなこと言われても困る。」

今日、何度その言葉を飲み込んだのだろうか。

ニュージーランドの自動車普及率ランキングは世界第3位。人口1000人に対して912台と言えば1人1台保有しているといってもいいのではないか。
そのくせ、ニュージーランドには国産の自動車メーカーがない。
海外から輸入している中古車の多くは日本からで、走る車の8割以上は日本車だと言っても過言ではない。

私の所有する車も三菱だ。
この国で使用できないETCはついたままだし、カーナビは日本語設定(言語切替不可)、取扱説明書だってもちろん日本語だ。
だからだろうか、日本人である私は車関係で頼み事をされることが多い。

今朝、子どもたちを学校に送りに行くと、長女の友人の父親が待っていた。どうやらスマホとカーナビが接続できなくなってしまったようだ。
カーナビは言語切替が不可のタイプで、画面にうつる謎の日本語に困った彼が思い出したのが私だった。

子どもたちが校門に入ったのを確認して、彼の車に乗り込む。助手席に座り、カーナビを操作するが「Bluetoothに接続中」という日本語がひたすらうつるだけ。スマホの画面にも「接続できません」の文字が。

思いつく全てのことをやってみた。それでも一向に接続しない。
ここまで来ると私の手には負えない。機械そのものの知識がある人でないと無理だ。

「これは専門の人に見せないと駄目だね」

そう私が告げると彼が言った。

「どこに持っていけばいいんだろう?」

そんなこと私に言われても・・・・。

「役に立てずごめんね」そう謝ることしかできなかった。

その後、私はジムへと向かった。
今日は大好きなお尻トレーニングの日だ。
駐車場に車を停めると、タイミング良く電話が鳴った。
日本に住む汚友達からだった。
日本時間では早朝5時頃、何事だろうと電話に出ると、夫の誕生日にセルフプレジャー(オナニー)道具をプレゼントしようと思っているとのこと。

そんなこと私に言われても・・・

どの部位を責める商品がいいだろうか、そういう相談だった。
男性専用にそんなものがあるなんて知らなかった私は一瞬興味を掻き立てられたが、どうせ私は使えない。
それに機械に頼り苦労せずに得る快感なんてろくなもんじゃない。人間1周回って必ず基本に返る。こんにゃくでもプレゼントしておけ。そうアドバイスをして電話を切った。

ジムでお尻をビシバシ追い込み、千鳥足で帰宅。
コーヒーを飲みながら、noteを徘徊、求人情報に目を通し、お昼ご飯を食べていたら別の友人からメッセージが届いた。

FXはじめようと思うんだけど。

そんなこと私に言われても・・・

少し前にNISAの話をしたからだろうか。でもFXの話はしてないし、そもそも私には未知の世界。
なんで私?そう聞くと友人は答えた。
「海外に住んでいるからわかるかなって」
海外に住んでいるからって、外貨投資の知識があるなんて勘違いも甚だしい。
そんな単純な思考回路しかないお前にFXは絶対にムリだ。そうアドバイスをした。

子どもを迎えに行き帰宅した直後、今度は高校の同級生からラインが来た。内容は来月に行われる高校の同窓会に関する連絡だった。

最初に彼からその連絡をもらったのは3週間前くらいだった。「お前の名前を貸してくれ」そう言われ承諾すると、行く予定もない同窓会の幹事にさせられていた。
文句を言おうと連絡をした時に知ったのが、彼が別居中であるということだった。妻が彼に完璧を求めすぎ、耐えられなくなったのが原因だとか。

今日はだだひたすらラインで同窓会についてやりとりをしていたのだが、文字を打つのが面倒になって電話をかけたのが失敗だった。

彼が言った。

「この前別居してるって話したよな?俺さー、自己肯定感を高めるために、風俗にもう100万くらい落としたんだよね。」

そんなこと私に言われても・・・。

妻によってズタボロにされた自己肯定感を風俗で高める。新しい自己啓発の仕方だな、と関心したが、とりあえず同窓会では女性にその話をしないように言い聞かせ、その程度の金額じゃあ、まだまだ自己肯定感は上がらないだろうから、もう少し頑張るようにと諭した。

最後は長男だった。
食後にテレビをつけたら、お目当ての番組がやっていなかったんだろう。
カレンダーを見て考え込んでいた長男が言った。

「なんで今日木曜日なんだよ!」

そんなこと私に言われても・・・。

金曜日にしかやらない番組は木曜日にはやらないんだよ。
どうやら今日が金曜日だと思っていたようだ。
木曜日ですみませんでした。
そう言うことしかできなかった。

今日、私はたくさんの「そんなこと私に言われても困る」を飲み込んだ。
こんな下らない私の一日をnoteに投稿してもいいのだろうか?

そんなこと私に言われても・・・。

そういう皆さんの声が聞こえてくる。
でも今日だけは、私と一緒に皆さんもその言葉は飲み込んで「いいよ」と言ってくれたら嬉しいです。

いつも本当にありがとうございます。



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