見出し画像

不況時代の転職活動の進め方(2020年版)

お疲れ様です。もなきです。
都内で転職エージェントをしたり(毎月5人限定)、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用に加速をつける動画制作支援サービスの「ストリク」を運営したりしています。

先日、僕がやっているYouTube「名もなき転職チャンネル」の中で
「この動画の高評価数が100を超えたら、この話をnoteでも出しますね!」
と発信したところ、じわりじわりと視聴回数とともに高評価数も増え始め、100を超えましたので、予定通りnoteでも出したいと思います。
※YouTube動画のリンクも、noteの最後につけておきます。

YouTubeで話した内容に、ちょっとだけ加筆しつつ、まとめました。少し長いと思いますが(約5,500文字。ながっ!)
「コロナウイルスの影響で、今、転職をしようかどうか迷っている人」
には、特に読んで欲しい内容です。読んで損はさせません。

尚、「不況時代の転職活動の進め方2020」というタイトルで、なぜ「2020」と付けたのはなぜかというと、今回のコロナショックは、リーマンショックや、東日本大震災の不況時と比べると、企業の採用手法も変わってきているからです。僕は普段、転職エージェントや採用支援の仕事を通じて、色々な企業の経営者や人事の人と話すことが多いのですが「採用をする企業の視点」を踏まえた上で、今、転職を考える人はどう進めたらいいのか、という話をしたいと思います。

不況時代の転職活動の進め方2020、ポイントはこちらの3つになります。

①転職先が決まるまでは、退職の話を切り出さない
②転職エージェントやスカウト媒体、人脈を使い分ける
③自分の将来に徹底的に向き合う

それぞれについて、話していきたいと思います。

①転職先が決まるまでは、退職の話を切り出さない

1つ目は「転職先が決まるまでは、退職の話を切り出さない」ということです。

先日の動画で、転職を考えるきっかけと転職理由は違う、という話をしました。その動画では、転職しようかな、と考える「きっかけ」は誰しもあるものの、本当に転職をするかどうかは慎重に考えるべき、ということを伝えました。正直、今働いている会社で、どうしても納得がいかないことがあった時に、衝動的に「こんな会社やめてやる」となることは、誰しもあると思います。僕も会社員時代に何度もありました。

直近までの売り手市場の時は、仮にそこで辞めてしまったとしても、転職先はある程度すぐに見つかったかもしれません。ですが、今は衝動的に辞める、または、上司に転職を切り出すのは待ってください。どんな経験があるか、どんな転職先を探しているかにもよりますが、2020年4月初旬現在、これまでよりも多くの企業は採用を絞ってきています。求人を全てSTOPする、という企業は現段階ではまだ稀なので、表面上はあまり求人は減っていないと安心している転職エージェントの人もいるかもしれませんが、少なからず「厳選した採用」「即戦力性がある採用」にシフトしようという発想が、多くの企業の頭の中では起こっています。

採用は、企業が長期的に成長を見越した際の「投資」です。一人の人を雇うことで、人件費だけでなく、社会保険や雇用保険、PCや携帯などの備品の費用、一人前に育てるための教育など、多くのコストが発生します。そこにかかるコストよりも、企業にもたらす「貢献」が高まれば、投資に対しての効果が出たことになります。

これまでは、ある程度育成に時間がかかったとしても、景気が上向きだったので、会社の売上が上がっていて、結果「一人前になった」と見なされるまでの期間も短かったかもしれません。ですが、今後、これまでと同じペースで新人が売上を上げられるかは、誰にも分かりません。なので、先ほどの投資対効果が早い可能性がある人材、つまり即戦力性の高い人材を企業はより求めるようになります。

少し話がそれましたが、そうなった時、転職先がスムーズに決まると思って、先に退職をしてしまうと、無職の期間が発生してしまいます。無職になってもしばらくは、失業手当や貯金で生活費の確保はできるかもしれないですが、離職期間が長引くと、気持ちも落ちこみ、精神が不安定になり、どこでもいいから転職先を決めなきゃ、という考えになってしまいがちです。冷静に転職先を選べずに、とりあえず内定をもらえたところを安易に選ぶことで、場合によってはまた転職を考えてしまい、経験社数が膨れたジョブホッパーになってしまうこともありえてしまいます。今から転職活動をする人は、よほどの事情が無い限り、次の転職先が決まるまで退職を切り出さない、ということを覚えておいてください。

②転職エージェントやスカウト媒体、人脈を使い分ける

今回のコロナショックで不況になると、企業によっては、事業計画の見直しにより、採用予算をこれまでと同じように確保できなくなってくる、こともあります。

先ほど話したように、採用は投資です。もちろん、よい人は採用したいけれども、採用にかかるコストは、安いにこしたことはない、というのが経営者や人事の本音です。
じゃあ、どうやって動けばいいのか。
ここで、1つ問題です。

Q.今、転職活動をするなら、一番初めにアプローチするべきはどれでしょうか?

①会社HP
②人脈(リファラル)
③求人広告
④スカウト媒体
⑤転職エージェント

気付いたかもしれませんが、この①~⑤は、企業にとって「採用コストが低い順」に並べています。

正解は、意外に思うかもしれないですが、⑤の転職エージェントです。これは、もなきが転職エージェントもやっているからだろ、というポジショントークではありません。

ここでポイントなのが「転職活動で一番初めに使うべき」ということ。つまり、最終的に企業への応募を転職エージェント経由でするべし、とは言っていません。こちらについて解説します。

先ほどの話とも重なりますが、不況になると、企業としては「採用コストが安く、自社で活躍する即戦力人材を採用できる」にこしたことはありません。では、候補者は採用コストが安い経路を優先して応募すればいいかというと、違います。

なぜなら「大半の人は、丸腰で受けても、落ちる」からです。

勿論、経験や志向が、採用している求人ポジションに合致していて、面接でも絶対に評価してもらえる自信があるなら、採用コストが安くすむ、HP経由や知人紹介経由で応募することは止めません。ですが、100%受かる自信がある場合なんてめったにありません。

⑤の転職エージェントを初めに使った方がいい理由、それは、

・これまでの経験や強み、転職の軸を整理して言語化してもらうこと
・自分が転職をすべきか客観的な意見をもらうこと
・気付かなかった転職先の方向性のヒントをもらうこと

これら3つにあります。

もはやよく言われている話ですが、転職エージェントの言う「非公開求人」というのは、正直ほとんどないです。何を持って非公開というのかにもよりますが、多くの企業が、利用している転職エージェントや求人媒体に、募集している求人を全て掲載しています。言うなれば、転職エージェントを使って、自分だと出会えない求人と出会える、なんてことはないのです。

そうなると、転職エージェントの価値をどこに置くかというと、まさに

「人が介在していること」

です。
先ほどの3つについては、自分で全てやろうとすると、迷走することも多いです。なので、これらを整理するための壁打ち相手として、転職エージェントを使うということには価値があると思っています。

ただ、ここで一つ注意が必要です。それは、これらの壁打ちを通じて

自分が信頼を置いて、パートナーとして認めたい転職エージェント以外には、履歴書や職務経歴書を渡さないで下さい!

ということです。今後、不況になるとさらに増えてくるのが
「個人情報ばらまき型の転職エージェント」
です。表面的には「あなたの転職先を探すために、興味を持ってくれる会社を一生懸命探しているんです」を装いながら、色んな企業に個人情報付きのレジュメを送り、興味を持ってくれる会社から求人をもらいます。つまり、あなたの個人情報を営業活動のエサにしている転職エージェントです。

僕もこれまで、候補者様を企業へ推薦した時に「その方、以前に別の転職エージェントさんから応募をいただいたことがありますね」ということに何度も遭遇してきました。その候補者の方に聞くと、決まってその人はそのエージェントを使って応募意思を表明したことがないという、ホラー現象が起こっていました。

言うまでもないですが、履歴書や職務経歴書は、とても大事な個人情報です。キャリアの相談をして、本当に信頼をおける転職エージェントにだけ、自分の履歴書・職務経歴書のデータを渡して下さい。そして、転職エージェントとは、求人票を受け取ることをゴールとしない面談を受けてきて下さい。

尚、「そんなことを言われると営業妨害だ!」と思ったこのnoteを見ている転職エージェントの方がもしいたとしたら、自分の会社の転職エージェントの人達が、求職者から選んでもらえる介在価値が高い転職エージェントになるよう「教育に力を入れて下さい」
本当に信頼される転職エージェントであれば、例え自己応募できる案件だとしても、その人から受けてみようと思ってもらえるはずです。

(尚、YouTubeでは、アツくなりすぎてしまったので、ここで上着を脱いでいます汗)

話を戻すと、不況期での転職活動だからと言って、採用コストが安い転職手段を安易に選べばよいというわけでなく、自分自身の強みや転職軸の整理ができていない状態で応募しても、落ちてしまうということです。

信頼する転職エージェントを上手く使い、自身の整理がついた状態になったら、直接応募やリファラルやスカウト経由、転職エージェント経由をうまく使い分けて、興味を持った会社を受けていきましょう。

③自分の将来に徹底的に向き合う

最後に、自分の将来に徹底的に向き合うです。今回のコロナウイルスの影響で、自宅勤務をしている人は実感をしてくれると思うのですが、オンライン上で繋がっているとはいえ、家で一人で仕事をしていると、自分を客観的に見れる時間って多いです。

・何でこの日報を書いているんだろう
・何で会議のための会議を開いているんだろう
・何で自分はこのサービスを売っているんだろう

周りの顔色を気にしなくていい分、冷静に自分に向き合うことは多いと思います。

余談ですが、僕は会社員時代に、下の双子が生まれたタイミングで、2ヶ月間の育児休暇を取ったことがあります。その2ヶ月間は、もちろん会社のメールを見たりちょっとした相談には乗っていたものの、育児や家事の時間以外は、自分の将来のキャリアを考えたり、ビジネス書を読みふけったりしていました。育休復帰後1年間は会社員を続けていましたが、独立することを具体的に考えはじめたのも、育児休暇の2ヶ月の時でした。

もちろん、今回のコロナでの自宅勤務は、それとは違うと思います。自宅勤務とはいえ、やることが沢山で慌ただしく1日が終わってしまう人もいると思います。ですが、ふと自分自身と向き合う時間は、毎日会社に出社して夜飲みに出歩いている時よりも多いと思うので、転職をするしないに関わらず、自分の今後の理想とするキャリアについて、徹底的に向き合って考えて欲しいと思います。

惰性のままに働くのはもうやめにしよう

今回は「不況時代の転職活動の進め方2020」という話をしました。

最後に、僕が伝えたかったことをお伝えします。それは
「なんとなく今の会社で働き続ける」というのはやめよう
ということです。

何度も言うように、今のご時世、焦って転職活動をする必要は全くないと思います。ですが、じゃあ何も考えずに今の仕事を無心でやり続ければよいかというと、それは違うと思っています。

今後、自分の会社や、更に言うと日本全体が、世界が、どうなっていくかなんて分かりません。ただ、何か起こった時を起点に、そここら焦って考えはじめると、判断をミスります。自分と対話する機会が多い今、改めて自分は今後どうなっていきたいのかを考えていくべきです。

note用のあと書き

このYouTubeを公開したのが2020年の4月6日。
その時から、1ヶ月弱が経ちました。

動画を公開した時は「求人まだあまり止まってないよ!」「みんな騒ぎすぎじゃない?」とタカをくくっていた人材業界の人達の中にも、相次ぐSTOPにより、焦りを感じ始めている人も多くいるようです。

ここから求人がもっと減るかもしれません!動くなら今ですよ!
最近コロナ不安で転職活動をはじめる人が増えているから求人を出すならチャンスですよ!
今ならWEB面談で全て完結するからスカウト登録するチャンスですよ!

そんな風に、個人や企業へあおり立てる転職エージェントや求人媒体の営業担当が、残念ながら一定数いるようです。

求人がここから減ることも、不況が長期化することも、WEB面談で転職機会が増えることも、間違ってはいないかもしれません。ですが、今段階では、誰にも分かりません。

確かなことは、転職活動の主役はビジネスパーソン個人であり、採用活動の主役は法人企業です。その活動を支援こそすれ、煽ることはするべきではない。

転職活動するべき人は動くし、採用するべき企業は動くのです。

その動く人、その動く企業がいたら、僕は全力で、うまくいく方法を考えたいし、支援したいです。

よかったら、動画本編もご覧ください。

チャンネル登録もしてくれたらうれしいです!

では皆さん、うちで過ごそうね!


サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。