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東京武道館 六角鬼丈設計

本日、所用があって初めて綾瀬へ。しばしどんな街かなーとぶらぶらしてみる。すると、なんと目の前に驚愕の建築が!!!

それは、六角鬼丈設計の東京武道館(1989年竣工)。

多くの人は、武道館と言うと、九段にある山田守が設計した日本武道館(正八角形の玉ねぎ頭)を思い浮かべるはず。綾瀬に、まさかあの日本武道館に勝るとも劣らない武道館が存在するとは。

菱形のモチーフを積層した東京武道館は、圧倒的なオーラを放っている。はっきり言って、イカツイ。でも、人を遠ざけるような権威や威圧感は感じない。どちらかと言うと、親しみを感じる。ぐるっと一周してみると、どこから見ても違う表情。光の角度とともに変わるタイルの色。何周しても見飽きない。ディテールも、いたるところ菱形で、逐一感動する。

とりわけ気に入ったのは、公園側。テラスへと誘う階段は、街と建築を自然と一体化させている。そして、この建築に用のない人も、喜んで受け入れる懐の深さを感じさせてくれる。写真で上手く表現できなかったけれど、テラスへのアプローチは、光の仕業もあって、まるで天国への階段のよう。

ちなみに、六角さんは「雲海山人」を視点に据え、山海の自然観や雲の精神的風景をもとに設計したらしい。
確かに、あんなに存在感がある建築なのに、自然と人を包み込む優しさを感じるのは、そうした設計思想に由来するのだろう。

嬉しかったのは、人の出入りが頻繁だったこと。シルバー世代の人が日々運動をしにくるようで(武道場でありながら、日常はスポーツ施設として使われているっぽい)、イキイキと建築を使っていた。渋い自転車置き場に当たり前のようママチャリ止めて、六角さんの建築を使いこなしているシルバー世代の人たちがとても格好良かった。愛されている建築は幸せだな。ずっと大切に使われて、未来に残って欲しい建築だ。

綾瀬、私にとっては、かなり未知の地だったけど、東京武道館見るためだけに出かけても間違いじゃないと思う。すごいな、綾瀬。

#日記 #エッセイ #写真 #建築 #武道館 #六角鬼丈 #綾瀬