「私は大砲よ。」【今日の一文】
「猛者はスコープを使わないって?私は大砲よ」
貴方はこの言葉を聞いてどう感じますか?
どのような反応をしますか。
「かっこいい」、「勇ましい」
と、羨望の眼差しを発言者に向ける。はたまた
「強がっちゃって」「ダサいぜ…」
と、失笑しながらその場を去るのか。
私がこの言葉を始めて聞いた時、
頭のテッペンから足先まで稲妻が走り抜けました。
およそ四半世紀生きてきた私が触れたことのない言葉。
踏み入れては行けない領域に足を踏み入れていることを
否応なしに感じされられました。
サークルでみんなに「サノ」と呼ばれていた奴が実は全然違う苗字だったときよりも。
まず、私には彼女が何を伝えたいのか全くわかりませんでした。
しかし、
私が気まぐれで手を取った彼女は
まだ”戦場”というものをよく知らない赤子のような私に、
一点の曇りもない瞳をこちらに向けて
この言葉を言うのです。
「猛者はスコープを使わないって?」
「猛者はスコープを使わない」という、初めて耳にする情報。
これだけなら、冷静沈着で名の知れた私は
若干の疑問符を頭上に残しながらも
「あ、そうなんすね…」
と、彼女に動揺を悟られることなくその場を去ることもできたことでしょう。
その後に彼女が続ける言葉は、
「私は大砲よ。」
え?
……え?
もう私の心は鷲掴みです。
圧倒的な強さで現れた敵に、
この目で捉えることのかなわぬ突きで胸をぶち抜かれ、
背中から突き出た手のひらに握られた脈打つ心臓のように。
自らの生涯がそこで尽きたことすら気づくことができないほどの衝撃。
そのあと空母から彼女とともに飛び立った私は、
直後に横に飛び降りてきた、
関取のような見たこともないほどの大男に為す術なく殴打されて
またたく間に立ち上がることすらできなくなりました。
全体重をかけて飛び乗られ、
遠のく意識の中、この言葉を聞くのです…
「俺が岩みたいだって?岩は反撃してこないだろ?」
(おわり)
猛者はスコープを使わないって? 私は大砲よ
ちなみに、英語では
Real men use iron sights? Heh, I use heavy artillery.
「真の漢はアイアンサイトを使う?ふんっ、私は重砲(大砲)を使うわよ」
的な感じだと思います。
状況が分からないので何とも言えないのですが、
前に何かの会話があることが予想されます。
おそらく髭を生やしたお調子者に
「おい、2スコないんか?しゃーないな。
漢の中の漢は銃に備え付けのサイトでもチャンピオン取れるぜ」
か何か言われたんでしょう。
あれ、それでもよくわかんないですね。
国語得意な人、この時の発言者の気持ちを400字でコメントください。
まぁでも、
「小さなことなんて気にしないで全てをぶち壊すくらいの勢いで行きましょう」
という彼女の大胆さと共に、
チームの雰囲気を盛り上げるリーダーシップを感じますね。
ちなみに私がもっと好きな彼女の言葉があります。
それは、
「クリップは髪留めのこと。これはマガジンよ」
仮に仲のいい友達に言いたくなったとしても
胸の奥深くにしまっておくことをお勧めします。
では。
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