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パティシエが考えるアフタヌーンティーの魅力について。~パティシエ目線~


前回はアフタヌーンティーとは何ぞやと消費者目線から説明しましたが、

今回はパティシエがアフタヌーンティーとしての商品を考える際にどういう順序で考えるかということを書きます。

前回より引用ですが、私が思うAFTとは「心地よい空間で小さめのスイーツや軽食、飲料を味わい、楽しい時間を過ごす。」ことなのかなと思います。


ということを念頭に置いて考えていきます。



『芋栗南瓜』をテーマにしたアフタヌーンティーを参考に説明していきます。

まずテーマを決める。今回は『芋栗南瓜』。


なぜ芋栗南瓜なのか? 
>>>秋になると美味しくなるもの、それは芋栗南瓜。井原西鶴の言葉にも『とかく女の好むもの 芝居 浄瑠璃 いもたこなんきん』とあります。*いもたこなんきんとありますが、現代の芋栗南瓜に変化。
栗きんとん一つでは満足できない方に、ねっとりと濃厚な芋栗南瓜のペーストを存分に味わってほしいという思いから生まれました。

みたいに新しくテーマを決める際は、まず自分が作りたいから作るのではなく、ゲストの不満(ここでいう栗きんとん一つでは満足できない)を解消するために作る。といった何故こういうテーマなのかを最初に決めるといいと思います。
他には、イベント事(クリスマスやバレンタイン)、素材(チョコレートやフルーツ)に特化したテーマ決めだとゲストに響きやすいかと。


どのように芋栗南瓜を味わわせるか?
>>>濃厚な芋栗南瓜のペーストにあまり手を加えず加工する。
いろんな食感を表現し、飽きさせないようにする。


メイン(一番見てほしいもの、食べてほしいもの)を決める
>>>メインのストーリーも加える。
芋栗南瓜アフタヌーンティーでいうと、メインは4種のモンブランの食べ比べ。紫芋、和栗、フランス栗、かぼちゃのペーストでモンブランを作っています。

更に説明していくと、

・和栗クリーム+生地にきな粉クリームをサンドは、国産の栗と国産のきな粉という国産の素材同士を組み合わせた。

・フランス栗クリーム+生地にラズベリーとローズのジュレをサンドは、フランスのパティスリーでよく見られる組み合わせ(栗とバラとラズベリー、美味しいんです)から考案。

・紫芋クリーム+黒糖ガナッシュ+黒糖ゼリーは、紫芋は主に沖縄県で採れる、黒糖も沖縄が有名、同じ地域の食材は合いやすいということから考案。

・かぼちゃクリーム+チーズガナッシュは、かぼちゃサラダでもあるようにかぼちゃとチーズの相性の良さから考案。

というふうにただ素材を合わせたという説明より、なぜこの素材同士を合わせたかを説明するとゲストやサービスもわかりやすいかと。


以前の生地にも書きましたが、WHY>>>HOW>>>WHAT の順番で考えるとアフタヌーンティーもいい商品が出来るのかと思います。

質問、コメント等あればメッセージしてくれるととても喜びます。

Instagram:jumpei.fuji








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