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「ADHDに見えないね」と言われる理由は代償的機能
「ADHDなんです」
と伝えると
「全然見えない」と。
5年前に診断を受けて今もコンサータを飲んでいますが、このように言われることが結構あります。
最近、その原因がわかりました。
代償的機能でした。
苦手なことをカバーするために、後天的に見につけた機能
代償的機能を働かせるための方法を自分なりに分析しました。
というのも、僕は空気も最低限読めるし、相手が話し出すのも待てます。
必要があれば場を回すこともしますし、相手がどんなことを考えているかも想像することが出来ます。
新卒で入った会社では3年目に営業で全国1位を取れて、その後もフルコミの営業で人並みに暮らせてます。
折り紙の鶴は未だに折れず、忘れ物も多いままですが、
『集中できていれば』ある程度のことは人並みに出来ます。
代償的機能は、
得意なことを伸ばす成長よりは、苦手なことをなくす方の成長です。
過去に怒られたり、悔しい思いをしたのを覚えていて、それを思い出して頭の中でぶつぶつ言って同じことにならないように対処しています。
例えば、スマホを落とさなくなりました。
スマホを持った当初は注意力不足で落としまくっていて、半年に1度は画面を割っていました。
しかし、スマホを落とすパターン(胸ポケット、トイレ、移動中、寒い日の外、車から降りる時、雨の日など)を頭に入れ、その都度思い出すようにしてからは、割れなくて済むようになりました。
これも代償的機能の1つです。
この言葉を知り、昔は全然今の感じではなかったことを思い出しました。
大学2年の中頃までは話すのも今のようなテンポ感ではありませんでした。
また中学の時は、彼女と別れて凹んでいる友人に「別れると思ってたよ」と何の悪意もなく声をかけ、顰蹙を買うようなレベルでした。
全部の失敗が「やっちゃいけないことリスト」に追加され、
そのリストを都度思い出しながら行動しています。
自然と相手の感情が分かるというよりは、過去のパターンを言語化して列挙して推測して、選んで行動している感じに近いです。
僕の場合は一回一回引き出しから言葉を出して、頭の中で喋って最善を選んでいるイメージです。
代償的機能のおかげで、色々と出来ることが増えたり、地雷を踏まなくてよくなったりしてきたのですが、どうして代償的機能を働かせることができるようになったかを自分なりに振り返りました。
代償的機能を働かせるために有効だったのは、失敗を言語化することです。
頭の中でぶつぶつ喋っておくことです。
そうすることで失敗が「やっちゃいけないことリスト」にしっかりと刻み込まれます。
あと自分の場合は、許容範囲が広いためか感覚がバグっているせいか、なぜ怒らせてしまったかが分からないことも割と多くあります。
その場合は個別ケースとして覚えて、全く同じことについては失敗しないようにしています。
類似ケースで迷惑をかけてしまう時に「根本が分かっていないから同じことをする」と言われてしまうことがありますが、ひたすら個別ケースを積み重ねるしかないと割り切っています。
代償的機能のおかげで集中できている時のコミュニケーションの齟齬やミスは減らすことが可能です。
これまで工夫してやってきたことに名前がついていた喜びがありました。
改めて自分の乗り越え方を整理して書きました。
とは言え代償的機能は苦手を克服するために獲得した方法なので、
本来の特徴を抑えることや、代償的機能を動員することは、本人が自覚している以上に多大な労力を要し、ストレスがかかったりします。
と本にはありました。
もし自己分析をする中で「色んな自分がいて自分が分からない」と思うことがあれば、代償的機能を知っていると、もっと自分と適切で会話できるかもしれません。
適切な自己理解のための概念の1つ、代償的機能。
労力を使いますが、その分を上回るエネルギーで越えていきたいと思います!
発達障害の方専門FPとして活動しています。
発達障害の方専門保険相談窓口を開設しています。
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