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生命保険の提案の際に大切にしていること~保険料払込免除編~

はじめに

シリーズ「生命保険の提案に際に大切にしていること」。

今回は、払込免除について。

保険において「払込免除」とは

保険期間の中途で被保険者が、約款に定められた状態になり保険料負担能力を失った場合、以後の保険料の払込が免除されること

「○○の状態や病気になったら、保険料を払わなくても保険は継続するよ!」という特約です。

「払込免除」の種類は多くあります。

払込免除の大まかな種類と、付加した方が損か得かを計算してみたい方向けに、計算方法のアイデアも書いていきます。

※リスクマネジメントの話ですので、「損か得か」については本質の話ではありません。
ただ自分が選ぶ側だったら、知っておいた上で選んだ方が納得感が高い情報であり、保険会社の設計がどうなっているかの知的好奇心を満たすことができるので、コラムとして読んで頂けると幸いです。

1、払込免除の種類

払込免除の種類には大きく分けて3パターンあります。

①三大疾病などの「疾病(疾患)」で払込免除になるパターン

②要介護認定、身体障碍者手帳、精神障害者保健福祉手帳のように公的制度と連動して払込免除になるパターン

③約款に定められている身体障害状態(ペースメーカーや両耳の聴力を完全に失った等)に該当した際に払込免除になるパターン

ご自身の加入している、または加入見込みの保険の払込免除項目がどれに該当するかを確認してみてください。

2、疾病、疾患の払込免除のバリエーション

払込免除に該当する疾病(疾患)が、保険によって異なります。
○○疾病払込免除特約のうち、3大疾病の払込免除もあれば、8大疾病の払込免除もあります。

中でも一番多いのは、三大疾病の払込免除。
一般的には「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」のことを言います。

三大疾病払込免除特約の確認するポイントは以下の通りです。


①がん
がんと診断されたら、以後の保険料の払込が免除になります。
悪性新生物だけが該当するか、上皮内新生物も該当するかの確認が必要です。


②脳卒中
多くの払込免除特約は脳卒中にて手術になると払込免除となりますので、確認はそこまで必要ではありませんが、入院日数は保険によって様々です。
20日以上の入院、1日以上の入院、など、保険によって払込免除になる入院の日数が異なります。

また、脳卒中ではなく「脳血管疾患」としている会社もあるのでチェックが必要です。
脳卒中の場合と脳血管疾患の場合では、入院日数が異なることもあるので個別に確認が必要です。


③急性心筋梗塞
こちらも脳卒中と同じく、手術での払込免除、入院での払込免除がついています。
入院日数が保険によって異なる点も同じです。

また、急性心筋梗塞ではなく「心疾患」としている会社もあるのでこちらもチェックです。
急性心筋梗塞の場合と心疾患の場合では、入院日数が異なることもあるので個別に確認が必要です。


5大疾病や8大疾病の払込免除もそれぞれ払込免除事由が異なるので、確認が必要です。


3、払込免除を付けた場合とつけなかった場合の保険料比較

払込免除特約をつけた方が良いか、つけない方がいいか。

たまに聞かれますが、選んで後悔しない選択であればいいと思っています。
保険料によっても、その判断は変わってくると思います。

今回は、その計算をしていきます。

会社ごとに保険料は異なりますが、基本的な計算の仕方は同じなので参考にしてください。

Z社を例に試算してみます。

ケース1
30歳男性、入院日額5,000円(60日型)、手術特約入院時10万円外来時5万円、入院一時金特約10万円、先進医療特約。
こちらの保険料が2,092円/月。
1年あたりの保険料が25,104円。

ケース2
30歳男性、入院日額5,000円(60日型)、手術特約入院時10万円外来時5万円、入院一時金特約10万円、先進医療特約、三大疾病払込免除特約。
こちらの保険料が2,327円。
1年あたりの保険料が27,924円。


ケース1の保険料を支払う方が90歳まで生きて、仮に保険の見直しを一度も行わなかった場合の保険料総額は、1,506,240円。

1,506,240円をケース2の年間保険料で割ると、53.94年分であることがわかります。
ケース2の保険料を払い続けた場合、保険料を払い始めて53.94年経過後にケース1の保険料を抜くことになります。

つまり「約84歳までに三大疾病になればケース2の方が得であり、84歳まで健康であればケース1の方が得になる」ということが出来ます。

ただし、こちらは単純に保険料のみの比較になるため実際には、生命保険料控除も加味して考える必要があります。
(そこまでやると大変なのでやりませんが)

この計算は「何年まで生きる試算でやるか」によって変わってきます。
70歳まで生きると計算した場合は、66歳までに三大疾病になればケース2の方が得と言えます。

保険料や付加する特約によっては差額が出るので、加入検討している内容がある程度決まった後に試算してみても面白いかもしれません。

ただあくまで保険ですので、目安として知っておくといい、ぐらいの数字です。もし若くして重い病気になってしまい、保険料が負担になってしまっては本末転倒です。


まとめ

払込免除特約は、資産形成の保険にも付加することが出来ます。
払込をしなくても保険会社が資産を積立してくれる効果があります。
これは他の資産にはない、保険だけの非常に大きな特徴です。

資産形成、資産運用、リスクマネジメントはどれも健康に働けるからこそできるものです。
もし健康を損なってしまったとしても、それらを継続するための仕組みは投資信託や株式投資などには備わっていません。
健康を損なったとしても、資産形成が継続できる仕組みとして払込免除があります。

種類も非常に豊富ですので、保険と合わせてご自身にあった払込免除と仕組みを活用されることをおススメします!

適切にご案内できるように、勉強していきます!!

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