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娘のとなりのトトロ

 最近の娘(1歳半)のお気に入りは、トトロ。

 これまでは、わんわん、こっしー、アンパンマンのローテーションだったのに、ここに来てトトロ一強時代が到来しています。

 家にいると必ずトトロが点いているので、一緒に見るのですが、改めて見ると、トトロはすごい。
 話が完全には分かっていないであろう娘が熱狂するのもわかります。

 今日はその理由を書いてみます。

オープニング

 ジブリ作品のロゴが表示された後に、すぐに「さんぽ」の歌でオープニング。
 イントロが流れた瞬間に、娘のテンションは冒頭からマックス。リビングが熱狂に包まれます。

 メイちゃんを覚えたのか、メイちゃんが曲に合わせて歩くたびに「メイ、メイ」とテレビを指さしながら言いながら、曲に合わせて踊っています。

 映画は始まってから早くて数秒、遅くとも1~2分で最初の印象が決まると言われています。
 冒頭の「さんぽ」で、一気に子どもを引き付けます。
 これから楽しい物語が始まることを、1歳半の娘にも感じさせる作り。
 そこからトトロがいろんな世代に愛されるのは、理由があるのでは、と思ったのが、今回のエントリーを書くきっかけです。

表情

 登場人物、特にさつきとメイちゃんの表情がすごく豊か。

 大げさなくらいおっきく口を開いて笑ったり、姉妹けんかで大声で泣いたり、見ていてどんな気持ちなのかすぐわかります。

 娘も感情が理解できるようになってきたようで、同じように大きく口を開けて笑ったり、叫んだり、姉妹けんかの時には合わせて泣きます。
 共感して泣き止まなくて困るぐらい。

 乳幼児にここまで共感させる(させすぎる)力を持ったアニメ、すごい。

 大人目線で見ていても、メイちゃん学校におばあちゃんと一緒に来るシーンの寂しい顔とか、バス停で待っているときに眠くなってしまう顔とか、娘にそっくり!!

 どんな観察をすればこんなに描けるんだ、と今更ながら感動しています。

アクション

 この映画、とにかく動きます。走り回ったり、飛んだり、ぶつかったり。

 ダイナミックに動くので、娘も家の中を走りまったり、飛んだりしています。
 動きが大きくて気持ちいいので、真似したくなるんだと思います。

 一方で細かい動きで感情の機微を表現している場面もあって、例えばカンタがさつきとメイに傘を貸して、自分は雨に濡れながら帰るシーン。
 よく見ると、カンタはただ走っているだけじゃなくて、リズムを取りながらスキップしながら走っている
 思春期、女の子と上手に距離が取れなくて、でも関わりたくて、不器用ながらも傘を貸すことができて関われた自分に喜んでいるように見えます。

 子どもが喜ぶ大きなアクションと、感情の機微を「走る」という何気ない行為にリズムをつけることで表現する。
 これを同じ映画の中でシーンによって使い分けているのを発見できた時に、トトロの楽しみが倍になりました。

まとめ

 今回はストーリーに触れずに、構成とアニメの動きについてまとめてみました。
 「いい映画は音がなくても観れる」と言われますが、トトロはまさにそれ。

 宮崎駿監督は、トトロの企画書にこんなことを書いたそうです。

「忘れていたもの。気づかなかったもの。なくしてしまったと思い込んでいたもの。でも、それは今もあるのだと信じて『となりのトトロ』を心底作りたい。」

 それは、大人へのメッセージかもしれまんせん。
 子どもと一緒に、子ども時代の2周目を大人として経験することで、色んな発見が今後もありそうでワクワクします。

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