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ロイロイとギルデランタ

ロイロイは、言いました。

「どうやらボクは、ココロを奪われてしまったようだ。」

ギルデランタは、それを聞いて、そんなまさか!と、おどけた顔をしてみせました。

「ここのところずぅっと、おかしいんだよ。それで、夜になると眠れなくなるの。前はうまく眠れていたはずなのに、ボクは眠り方も忘れてしまったのかなぁ。」

ギルデランタは、それを聞いて、それは困った!と、首をかしげました。

「実はねぇ、さいきん、すこし遠くまで行ってみたんだよ。ギルデランタは動けないから、よくわからないと思うけど、すこし遠くにココとは違って、大きくてお水がたくさんあるところがあるの。」

ギルデランタは、それを聞いて、知らなかった!と、からだを揺らしました。

「うん。そうなの。それでね、ボクは近づいていって、大きなお水の上を飛んでみたんだよ。そうしたらねぇ、なんと、お水の中に小さくて、美しい生き物が見えたの!」

ギルデランタは、それを聞いて、なんて素敵なの!と、黄色い実を2つ落としてしまいました。

「でもねぇ、ギルデランタは信じてくれるかわからないけど、その生き物、ボクについてくるんだよ。ボクはお水の上に降りられないから、あっちこっちに飛びながら、おーい!きみのなまえはなんて言うのー?おしえて欲しいよー!って、ずっと言ってるのに、なんにも答えてくれないの。だから、ボクはすこしだけ、かなしくなって帰ってくるんだけど。それでもね、よる、気になって、またあしたも会いにいってみようかなぁって、そんなことを考えているんだ。」

ギルデランタは、それを聞いて、こちらにおいで、とその小さなまあるい綺麗な葉っぱを1枚ちぎって、ロイロイに渡しました。

「え?これを持ってお水に行くの?
あっ、そうか!お水の上にギルデランタがいてくれれば、ボクはそこに降りられるものね!ありがとうギルデランタ!行ってくるね!」

暖かい風が、遠く小さくなっていくロイロイをやさしく運んでいきました。

ギルデランタは目をつむって、

からだ中を通り抜けていく風たちが、美しく優しく奏でてくれるたくさんの幸福音に、胸いっぱいの誇らしげな気持ちになりました。

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