見出し画像

【常時更新】エルニーニョ・ラニーニャ・黒潮など海洋現象と南海トラフなど大地震・火山噴火・水害の関係

■はじめに

このノートでは、エルニーニョ現象、ラニーニャ現象、黒潮(大蛇行)、ダイポールモード現象(IOD)などの海洋現象と大地震発生の関連性について研究した結果と、そのデータを公開する。

これまで、過去500年以上にわたる前述のような海洋現象と地震発生のデータを調べてきた。
その結果、両者の相関性が次第に見えてきた。

自説では、特に本州南岸を流れる黒潮と南海トラフ巨大地震などの大地震の発生時期には密接な関係がある。
また、同様に火山噴火の発生と海洋現象の関連性も研究対象としている。

このノートは、過去の海洋現象の記録と、これまでの研究結果のデータがメインです。
読み物の部分よりも、1500年以降の世界で起きた大地震・火山噴火・水害・気象現象・海洋現象をまとめたデータが大半を占めています。

■基礎知識

◎エルニーニョ現象とは

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。
日本周辺では海面水温が低くなる傾向がある。

【図】エルニーニョとラニーニャ

◎ラニーニャ現象とは

ラニーニャ現象とは、エルニーニョ現象とは逆に、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。
日本周辺では海面水温が高くなる傾向がある。

◎ダイポールモード現象(IOD)とは

ダイポールモード現象は,数年に一度,東インド洋熱帯域の海面水温が平年よりも低くなり,西インド洋熱帯域の海面水温が平年よりも暖かくなる気候変動現象のこと。
これを「正のダイポールモード現象」と呼び、逆に東インド洋熱帯域の海面水温が平年よりも高く,西インド洋熱帯域の海面水温が平年よりも低くなる場合を「負のダイポールモード現象」と呼んで区別する。

英語ではIndian Ocean dipoleと呼び、日本でもIODの略称が広く用いられる。

【図】正・負のダイポールモード現象(IOD)

◎黒潮大蛇行とは

日本南岸を流れる海流である黒潮が,本州の南岸で南に大きく蛇行した状態を『黒潮大蛇行』と呼ぶ。
黒潮大蛇行は,1年程度で終わることもあれば,長い時には数年持続する。

【図】黒潮の通常流路と大蛇行流路

元気象庁・岡田正実氏と私の研究により、黒潮が大蛇行する海域で発生する南海トラフ巨大地震は、黒潮の非大蛇行期(直進期)にのみ起きる傾向があることがわかっている。

■傾向

以下に、海洋現象と大地震・火山噴火・水害など気象現象の発生に関して、私の研究からわかってきたことを挙げる。

====無料購読エリアここまで====

ここから先は

58,118字 / 1画像
この記事のみ ¥ 1,000

よろしければサポートをお願いします。家族を養う職業ライター・ブロガー・研究者なので、助かります。