いじめにあっても、娘は生きている! 楽しく引きこもって稼ぐまでの思い
母親としてどれだけ胸がつぶれる思いがした日々だったか、
とても言葉にはできません。
だけど私の娘は生きている。
死んでしまえば、もう先はないけれど、
生きていれば、きっとなんとかなる。
そう自分を励ましてきました。
娘のいじめは、裁判に勝訴するほどのひどいものでした。
次々にいろんな症状が出ました。
心因性ビッコで数年間、足をひきずって普通に歩くこともできませんでした。
整形外科でも診てもらいましたが、ひと目娘を見たとたんに、
お医者さんは「この子は学校には行けていますか?」と。
ひと言も事情を話さなくても、いじめによる障害だと察知されるほどでした。
顔の中央に黒々とした大きな傷をつけられて、
見た人たちが思わず絶句する。
「どうしたの」と聞いてくる人もいる。
私も表情に出さないようどれだけがんばっても、
やはり娘の顔を見るたび、胸がつぶれる思いがしました。
娘は、自分を見る人たちみんなから
思わず息を呑んだり表情を歪めたり、かわいそうにと声をかけられて、
どんな思いがしたでしょう?
いちばんツラかったのは、娘に違いありません。
以前とは別人のように、髪をたらして顔を隠し、暗く沈んで。
チック(まばたき)が止まらなくなり、
いきなりフラッシュバックで倒れたり、
学校だって、しょっちゅう体調を崩して休みました。
死んだように一日中眠り続けて頭痛や吐き気を訴える娘を
総合病院にも連れていきましたが、やはり原因不明。
心療内科やカウンセリングに通い、
PTSDとの診断を受けて、5年間通い続けました。
明るくて優しくて、誰からも好かれる娘がこんな風になって、
どれだけ悲しかったことでしょう。
私自身も被害を受けてPTSDに
そもそも加害者の母親からの嫌がらせで発展した娘へのいじめでしたので、私に対するウソの中傷や無言電話、
数人で囲まれて事実無根の言葉のリンチなどなど。
加害者親子はストーカーのようでした。
私自身もPTSDにかかり、
攻撃される言葉の耳鳴りで眠れなくなり、
文字が地紋のように読めなくなったり。
もちろん娘とともに心療内科に通いました。
おさまらない症状や、嫌がらせ、裁判、フラッシュバック。
身をツーンとつんざくような孤立感。
電車のホームでふらふらと吸い込まれそうになる自分にゾッとしました。
回復した今でも、ホームドアがない場所では一番前で待たないようにしています。
そんな重い日々の中で、
私はこう自分に言い聞かせました。
「この子は生きてる!
自殺したり、殺されたりしたらどうしようもないけれど、
生きていれば、なんとかなる。
きっと回復できる。
この子は生きているんだもの!」
自殺したお子さんや、加害者たちに殺された事例もたくさんあって、
そういう親御さんの気持ちを思うと、自分ごとのように胃がシクシク痛みます。
もしうちもそうだったらと想像するだけで、泣けてしまう。
きっとボーゼンとして、生きる気力をなくしてしまいそうです。
もちろん生きていても、日々の症状は苦しいものです。
生きてるから大丈夫なんて気持ちには到底なれません。
だけど「あれもこれも失った」「傷つけられた」、と
失ったものを数えてしまうと、ツラさは増します。
まるで別人のようになってしまった娘・・・「失ったもの」が大きいだけに、
そして、大事に思っているからこそ、つらい。
悲しみや絶望感で頭がいっぱいになってしまう。
だけど、そこを歯を食いしばってでも、
「生きている」「未来がある」と「残った可能性」へ目を向けました。
それでも明日はある。幸せに向かう覚悟
長い不妊を経てやっと授かった娘は、
私にとって人生で最も大切な存在です。
大事な娘を執拗に傷つけられたことは、とんでもないショックでした。
しかも幼い娘の人生は、まだ始まったばかりなのです。
人間関係への不信や恐怖を抱えて、これからの長い人生を生きていくことを思うと、胸に真っ黒な雲がのしかかるようでした。
だからこそ、泣きながら自分を奮い立たせる必要がありました。
100%未来を失ったわけじゃないわ。
だって生きているんだから。
トラウマやPTSDに苦しんで、人や集団を恐れ、
不登校や引きこもりであっても、
母さんには、あなたが世界でいちばんの宝物!!
どれだけいじめのキズが深くても、
母さんはあなたの味方だから。
ドンと来い!
大切なのは、今を生きること。
そして、未来に向かうこと。
「風と共に去りぬ」という古い映画で、波乱万丈の主人公が戦争で家も財産も失い、愛する人さえ去っていきます。
そんな最後のシーンの言葉が、これです。
「After all, Tomorrow is another day. (それでも、明日があるわ)」
どれだけ多くを失っても、可能性はある。
失ったものは、元には戻らないかもしれません。
たとえば、交通事故で手や足を失うように。
いじめやレイプのPTSDは、脳のMRI画像に穴があいているのが映るほどですから脳も損傷しているはずです。
けれども、たとえどれだけのものを失っても、
「幸せ」になることはできるはず。
いや、なってやる!
今と未来は、私たちの手の中にあるんだもの。
追伸 :
その娘は、20代後半になりました。
今もほとんど家から出ないで暮らしています。
母である私は、外に出ては働けない娘が
将来にわたって収入を得られるよう、
シェアハウスを始めました。
人との交流が相変わらず苦手な娘ですが、
外の集団に行くより、うちの方が気ラク。
海外からもいろんな人が住んで、交流もできる。
しかも、いつの間にやら・・・
大好きなゲームの攻略サイトを作り、
それを目にした会社から依頼を受けて制作を請おい、
毎月そこそこな収入を得るようになっていました。
お家にいる引きこもり状態のままで。
やるなー、わが娘。
そのくわしいお話は、また別の記事に書きますね。
いじめの状況やリアルなストーリーは
思い出すとツライので、書けたらポツリポツリと書くかも。
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