見出し画像

実際に精神科訪問看護で働いてみた

こんにちは、こんばんは、ももパンダ🐼です。
沢山の記事の中からお越しいただきありがとうございます。
今日は私が実際に精神科訪問看護で働いた所感をお伝えしようと思います。

はじめに

看護師とはエゴの強い生き物です。

誰かのためになりたい

困っている人の力になりたい

そう思って看護師になった人もいるでしょう。

私もその1人です。

病院で働いていると、自分の看護に対して感謝してくれる人もいますが、理不尽不満を押し付けられたり、キレられたり…

また病棟という、とても空気の悪い中で先輩にいびられたり、先輩や医者の機嫌を見ながら仕事したり…

こんなことするために看護師になったんだっけ?

と思う瞬間も多いですが、精神科訪問看護はその全てをうまく解消してくれました。

まずは患者さんたちは困っているから訪問を受けています。(一部仕方なくの人もいますが)

外に出れない人たちは来てくれるだけで喜んでくれたり、話を聞いてくれるだけで、喜んでくれたり、本当に一般的なことをアドバイスしてあげるだけでそれがその人のためになったりと、ちょうどよく看護師のエゴを満たしてくれます。

あとは複数名で訪問するところは除きますが、基本一人で訪問していると、日中に他の看護師と関わることはないので自由です。

医者との関わりも少なく、病院から委託されるため、院内のように高圧的な態度を取る医者もほぼいません。むしろ電話で話してくれる医者は良い人が多いです。


そのような環境で働いていると、「なんで看護師になったんだっけ?」はなくなりました。


また精神科というと怖いとイメージする方も少なくないでしょう。

どうしてもニュースなどで事件が取り上げられるとそういった印象は強くなります。

またそのように怖いイメージを持ったなか、訪問するというのは気がひけるという方もいると思います。

しかし、暴力や危険行為の可能性が高い方は入院していることが多く、家で安全に生活できるから退院しているのです。

もちろん内服を怠ったり、こちらの関わりが悪ければ激昂されることもあるでしょうが、それはこちらにも問題があること。

ただしく関われば危険行為に合う可能性は非常に低くなります。

精神科訪問看護ってなにするの?


実際の業務は傾聴、アドバイス、内服管理、バイタルチェックが主です。
注射やドレーン管理などを行うことは基本ありません。

そのため技術を落としたく無い、看護師なら技術を使いたいというかたには合わないでしょう。

私はそういったことに興味がないのでなんとも思いませんが。

精神科から指示を受けて訪問しますが、精神面だけ見れば良いというわけでもありません。

身体面もアセスメントして正しく受診できるようアドバイスしてあげることも必要です。

様々なことから不安を抱えてしまう事が多いため、少しでもそのような不安を取り除いてあげます。

精神科訪問看護に合う人、合わない人


よく求人には未経験も可と書いてあります。

そのことは事実です。

実際に私も未経験で入職しました。

前述した注射などの技術面を気にする方は合わないかもしれません。

あとは人の家にあがるのが嫌じゃないか。人と話すのが嫌じゃないか。

私は人の家にあがるというのがネックでしたが、働きだすと意外と気になりませんでした。

そんなことを考えるより考えるべき事がたくさんあるからです。家に入って何を話そうか、何をしようかなど。

コミュニケーションについては、話すのが嫌いな人は難しいかもしれません。

自分のことを表現するのが苦手な患者さんが多いため、うまく引き出す能力は必要だと思います。

あとは看護師は見える結果を求めがちです。

結果を出したいが故に本人の望んでいないことまでやろうとすることもあります。

長い目で見てあげることができる人、長く関わりたいという人は向いているでしょう。

精神科訪問看護での思い出

たくさんありますが、鬱で家からほとんど出ない人に「近所に美味しそうなパン屋さんがありましたよ」といつだかお話しましたが、自分も忘れた頃に「パン屋さんに行きたい」と言ってくれて、一緒に買いに行けたことは嬉しかったです。

あとは3年以上の長い関わりをしていると、3年前と比べて変わったなと思うことが沢山出てきて嬉しくなります。

一般科ではまず感じることのない数年単位の関わり。そしてその変化を感じる事ができるとても良い仕事です。


私の考える精神科訪問看護

「訪問して、ただお話してるだけ」
と考えればそうかもしれません。

中にはそのように考えてやっている人もいるでしょう。実際に前の所長がそうでしたし、そのような人はたくさんいます。

患者さんが訪問看護を受けているのであり、患者さんは私たちの話を聞いてあげる立場ではありません。

基本的に話すのが苦手な患者さんは多いです。

一通り話すと沈黙になってしまうこともあります。

ただ、うまく話せばまだまだ本人の話したい事はあります。

それなのに、話がないから、沈黙するからと私情を話し出す人がとにかく多いです。

「うちの子供が〇〇で」「いやー、今日全然寝れなくて体調わるいんですよ」

患者さんはそんなこと言われても関係ないし、「なんでこの人の不満を聞いてあげないといけないの?」となりますし、逆に「私は何か言ってあげないといけないのかな?」と不安になります。

私は訪問していて、たくさんの患者さんからそのような相談を受けました。

「所長さんあんまり眠れないみたいで大変そうですね」
「お子さんの話ばっかりされるけど、私子供いないし。まぁ私も大人なので聞いてあげてますけど」など…

「今日眠れてないんですよ」と話した後に、本人の睡眠状態を聞いたり、「子供が〇〇で」と話した後に本人の家族の話に繋げてあげたりすると、普段聞かない情報を得ることもできると思います。

もう一つは患者さんの本当にニーズを見てあげる事。

何度も書きますが、看護師というのは結果を求めがちです。

自分達がしたことに満足しがちです。

そうではなく、いま何を求めているのかを考えてあげる事が本当の看護だと思います。

言葉で書くのは簡単です。

私も気付くのに3年かかりました。

しかしそれを気づかせてくれたのも患者さんでした。


これから精神科訪問看護に行きたい方

現在精神科訪問看護の市場は大きくなっています。

一般科もそうですが、地域に帰そうという医療の方針のため、どんどん広がっています。

そのため個人で開設する人や、企業が開設することも多いです。

看護師の求人サイトを見たり、相談するとどうしても大手の企業の訪問看護ステーションを紹介されがちです。

わたしも当時それしか知らず入職しました。

しかし大手の企業は収益を出すことが大事なため、質より量を求められる事が多いです。

大義名分として患者さんが第一にといいますが、看護師の数は限りなく削り、ギリギリで運営したいので、そのようなギリギリの状態で患者さんを第一にできるのかは謎です。

そのためまずはSafariなどの検索で

「精神科訪問看護 〇〇県 求人」

などで調べてみましょう。

すると個人で運営しているステーションなども出てきます。

転職サイト内で調べてしまうと、そこに掲載をお願いしているステーション(多くは企業)しかヒットしません。

個人で開設したステーションのほうが、収益はもちろん求められますが、融通はきくとおもいます。


おわりに

今までいくつかの看護の形に触れてきましたが、私にとって精神科訪問看護というのは1番合っている仕事です。
今回の所感はあくまで個人的なものですので、ご理解の程よろしくお願いします。

私はパワハラがあり退職することになりましたが、その際も支援者や患者さんたちから「ステーション作ってくれませんか?」と言われることも非常に多く悩みましたが、当時の私にその余裕はありませんでした。

また家庭もあり、現実的でないのが悔しいですが、また同じような仕事をしていきたいとは思っています。

また精神科訪問看護の魅力について書いてみたいと思います。


大変長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また宜しくお願いします🤲

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?