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徒然空

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徒然なるままに書いたエッセイをまとめています
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#昔の話

弱った心に染みる桃

弱った心に染みる桃

昨日の朝、起きたら目眩がした。
低血糖か熱中症かわからないが、とりあえず横になって一日過ごしていた。

体調崩すのは嫌だな、とベッドの上で思った。
遠い記憶の小さな頃を思い出した。

小さい頃の私は月に一回病院に行ってたくらい病弱だった。
両親は大変だったろうなと思う。

体調を崩したら遊ぶこともできないし、ずっと横になっていなきゃいけない。
小さいながらに苦痛ではあった。
あれしたい、これしたい

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それでも前を向くしかない

それでも前を向くしかない

「私なんていらない子なんだ!!」

母親と喧嘩した幼き頃、家の裏でしゃがみ込んだ私が叫んだ言葉。

「そんなことない!!」と私と同じくらいの声で言った母がどんな顔をしていたか、もう忘れてしまった。

今の私は正社員という肩書のニートだ。
親のすねかじりにも程がある。しゃぶり尽くす勢いだ。

「全部コロナのせいだ」と思う気持ちもあるが、同時に「全部自分のせいだ」と思ってしまう。

研修先が決まらない

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父の背中

父の背中

最近ふとしたときに思い出す光景がある。

大吹雪の中、私を守りながら家に連れて帰ってくれた父親の背中。
「あぁ、この背中がある限り、私は安心していいんだ」と思った記憶。

多分、小学校低学年のときだったと思う。
家から5分くらいの場所にある児童会館によく行っていて、本を読んだり、塗り絵をしたり、ボードゲーム、おままごと、たくさんの遊びをしていた。

いつも1人で帰っていたけど、その日は大吹雪で珍し

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