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父の背中

最近ふとしたときに思い出す光景がある。

大吹雪の中、私を守りながら家に連れて帰ってくれた父親の背中。
「あぁ、この背中がある限り、私は安心していいんだ」と思った記憶。


多分、小学校低学年のときだったと思う。
家から5分くらいの場所にある児童会館によく行っていて、本を読んだり、塗り絵をしたり、ボードゲーム、おままごと、たくさんの遊びをしていた。

いつも1人で帰っていたけど、その日は大吹雪で珍しく父親が迎えにきた。

断片的に、冒頭の光景だけ強く記憶に残っている。

見える景色は真っ白で、道すらよくわからなくて、白い世界に2人きり取り残されたような感じ。
ただ、父親の背中だけ頼りに歩くしかなくて、このまま死んじゃうのかな?と思ったような気がする。

もちろん死んではいないし、無事家には帰れたのだが。


何故、この記憶が強く残ってるのだろう?と最近思う。

珍しく父親が迎えにきたから?
その景色が綺麗だったから?
父親の背中に安心したから?

多分全部正解。

無条件で守ってくれるという存在。
その背中に守られているという信頼。
親という存在そのものの記憶なのかもしれない。

あのときの背中を私はずっと忘れないだろうし、いつまでも追いかけているのだと思う。

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