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【掌編小説】商談で便宜を図る♪

 商談。

「社長、ご無理申し上げていますのは、重々承知しておりますが、何とか、その~……、便宜を図って頂けませんでしょうか?」

「そうですな~、ん~……」

「お願いします!」

「ん~、困りましたな~……」

「そこを何とか、社長のお顔で、お願いいたします!」

「そこまでおっしゃるんでしたら、お答えいたしますが……」

「ありがとうございます!」

 すると、社長は、困った表情から、段々、苦悶くもんの表情に変わり、

「そうですな~、今のところ、まぁ、そこそこ、……ってところでしょうな~」

「『まぁ、そこそこ』、……っておっしゃいますと?」

「ですから! あなたが『社長の顔で』っておっしゃるから、わしの顔の表情とニュアンスで、ご理解頂けませんかな?!」

「申し訳ございません!」

「わしだって、一応、恥ずかしいんですぞ!」

「不勉強で、申し訳ございません!」

「じゃあ、一回しか言いませんぞ!」

「お願いいたします!」

「ですから~、今、わしは、一刻の猶予もないくらい、切羽詰まった、ど~~~しても、トイレに駆け込まなくてはならんような、『めっちゃウ○コがしたいッッッ!!!』、っていう状態ではないってことですな~!」

「はっ? ……って、それは~、『便宜べんぎはかる』やなくて『便意べんいはかる』やないか~い!」

「『顔で~』って言うたん、あんたやないか~い!」

「あんたが、今、どんだけウン○したいかとか、そんなん聞いてへんわ~い!」

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