【掌編小説】♪翼をください♪
「もしもし、神様ですか?」
「神様じゃよ」
「今、私の願い事が、叶うならば……」
「『翼がほしい』、……ってかい?」
「さっすが、神様! よくお分かりで!」
「あんたも、『悲しみのない自由な空へ、翼はためかせ行きたい』、……ってかい?」
「はい」
「じゃ、送らせてもらうよ」
「ありがとうございます!」
「あんた、CM終了後、30分以内にご注文下さってるんでね、送料無料の、3,980円ポッキリ、税込みじゃよ」
「お安いですね」
「でしょ! 3(サン)9(キュー)八(末広がり)0(マル~)ってことで、任せなさい♪」
「さすが神様!」
「クレジットカード、もしくは、商品到着後、お振込み頂くか、代引きになるんじゃが、どうするね?」
私は、商品到着後、早速、この大空に、翼を広げ、悲しみのない自由な空へ、翼はためかせ……♪
「うわ~、最高に気持ちいい~ッ!」
私は、早速、スマホから神様へ電話を掛けた。
「神様、ありがとうございます! 最高に、気持ちいいです!」
「お~、そりゃ~、よかった♪ わしも、うれしいよ♪」
「で、コレ、どうやったら、降りられるんですか?」
「あ、それね~、飛ぶの専用の翼だから、降りられないんじゃよ」
「えーーーッッッ!!!」
「最近、あんたみたいな人が多くての~! 降りるの専用の翼もご購入頂かないとね~」
「それを早く言って下さいよ! じゃあ、それ、大至急お願いします!」
「ありがとうございやす♪ 現地へすぐのお届けでよろしいかな?」
「はい、お願いします!」
「商品代金は、こちらも、3(サン)9(キュー)八(末広がり)0(マル~)ってことで、3,980円税込みなんじゃが、送料は、戦闘機よりも早い特急便で、休日の割り増し料金も課金されますので、結構な額になりますぞ」
「おいくらですか?」
「時価♪」
「じ、時価ッ!」
「応相談じゃが、預貯金、どれくらいあるね?」
「か、か……、神様ともあろうお方が、人の足もとを見るんですかッ!」
「あんた、今、空に浮かんどるじゃろ。じゃから、足もとがよく見えちゃっての~、ニャハハ♪ 右の靴底に、画鋲踏んどるよ♪」
「ガビョ~~~ンッ!」
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