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日向の祖父 キセルタバコに 木の匂い 

昨日は敬老の日
私の母方の祖父は木彫り師(仏師)でした
母の実家に行くと必ず祖父は仕事場で
何かしらの仏の木像を彫っていました
祖父はとても寡黙で、あまりおしゃべりした記憶がありません

木々の匂い漂う仕事場
(自宅の一角にありました)
そのひだまりの中、
黙々と木に向かい、
仏像を彫り続ける祖父

休憩になると、
どこからかキセルのセットを取り出し
タバコの葉をキセルに少し入れ
マッチつけた火をタバコにつけ
「ふうっっ…」っとひと吹き
窓の外を眺める祖父

日が暮れる前に仕事を終わらせ、
用意された夕飯を自分だけさっさと食べ
私たちが夕食をたべる頃8時には
床に就く祖父

朝は皆が起きる前4時頃に起き、
インスタントコーヒーとトーストを朝食にとり
2〜3時間ほど散歩に出掛けていなくなる祖父

そして8時には仕事場に入り
黙々と気を掘り続ける祖父

一つ一つの所作は何一つ崩れず
慎ましい生活をする祖父
何も語らずとも、
その生活様式が幼い私の中で強烈な印象として残っています

私が散歩道でかぐ木の匂いに惹かれるのは
そんな祖父を思い出すからかもしれません

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