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【中編】富士宮ルートで女3人初富士山

日常って恐ろしい。まだ登ってから1週間も経ってないのにもうかなりの感覚を忘れてしまっている。事実は覚えていても感覚って忘れちゃうからそれを思い出すための記録は大事だよね。
でもまだ雲みた時に、あれのはるか上にいたんだよなあとは思える。
少しでも記憶が残っているうちに、たくさん書くぞー!

▼前編はこちら

15:30 新七合目出発 標高2780m

そろそろ本当に疲れてくる。
ギリ元気かなーくらい。
めちゃめちゃに急な坂を登っていき、雲の上にでる。

普通に坂の角度もえぐいよね

雲海を見ながらみんなでラピュタじゃんとか天気の子じゃんとか話して、宮崎駿と新海誠は富士山に登ったことあるに違いないという結論に至った。

あと、日本じゃないみたいだなーって思った。
この国にこんなに本気の自然があるなんて知らなかった。東南アジアまでいかないとこんな景色は見れないと思ってたけど、まさかの静岡で対面できた。みんな新幹線熱海で降りないで新富士まで行ったほうがいい。

マチュピチュとか道中こんなイメージ

空を見て雲って一定のラインにできるんだねとか、同じような草しか生えてないのを見てもうここではこの高山植物しか生きられないんだねとか、この石火山にしかないやつだねとか、体育だけじゃなくて理科のフィールドワークも兼ねていた。自由研究に困った小学生は富士山くれば何とかなる。

17:15 元祖七合目到着 標高3010m

雲はもう下にある

元祖七合目、通称ガンナナ(多分)にて3000の大台突破。大台のレベルが高すぎる。

ここからはどんどん雲から離れて太陽に近づく。植物はだんだんまばらになって岩はますます大きくなる。時間が経つにつれて空の色も変わっていって月の白が濃くなっていく。時の流れと共に移る自然を360度で感じられるのって登山の醍醐味なんだね。

ベンチ大好き。空いた瞬間を逃さない。

これガンナナの写真なんだけど、このベンチ崖ギリギリにあるのわかる?これが壊れたら下まで転がり落ちるんだが本当に大丈夫なのか?って最初不安がっていたけど結局疲れに負けて全体重をかけていた。

てか全部の道でほんとに崖が厳しくて道が悪く、いつ自分が転がり落ちてでかい岩に衝突するかってヒヤヒヤしてたんだけど、転がり落ちている人なんて一人もみなかった。富士山登山の平均年齢は見た感じ40歳くらい。人生のパイセンまじすごいよ。年下でいうと小学生くらいの子供もいてしっかり登ってて、うちらより俄然強そうなマッチョは駆け上がったりしていたし、あそこにいる人全員にビッグリスペクトだった。たまに下に向かって「君たちすごいよー!」って叫んだ。聞こえないように。
子供を抱き返えながら登るパパもいてまじイケメンだった。

ていうか下山で「ガンナナまで行けばもう楽になるから」っていってるツアーガイドがいて、確かにガンナナからの下山は秒だなあと思ったんだけど、上り道を思い返すと全然そんなことなかった。これで楽な道って富士山はレベルが高すぎる。

17:30 元祖七合目出発 標高3010m

雲海に感極まる

もう雲海が遥か下。同じことしか言ってないけど本当に綺麗で、ずーっと飽きなかった。

「雲海が…雲海だあ… 」
「うわ…雲海だああー!」

心から出た言葉の語彙のなさに3人でめちゃくちゃ笑った。
あの時私たちは「松島や ああ 松島や 松島や」を詠んだ昔の日本人と完全に通じ合っていた。もう本当にいろんな言葉をすっとばして「雲海だああ」しか出てこなくなったもん。

水平線!

さっきの写真の10分後くらいの写真。富士山が大きすぎて、下界に富士山の影がかかってるの。きれいな斜めの線。しかもそれが水平線で屈折してるの。感じたことないスケールの大きさを前にして感動した。

ちなみに疲れは全然溜まっていて、休憩してパワーチャージしても10歩歩いたらもうリセットされてた。
なんせ空気が薄いから歩くとすぐハアハアする。足の疲れとかはどんどん麻痺するけど息切れだけは音として聞こえてるから全然麻痺しなかった。

18:30 八合目到着 標高3250m

そんなこんなでやっと着いたー!八合目!

後ろの月もステキ

アホみたいに映えるからみんなでめっちゃ写真撮った。もう顔は全然あれなんだけどロケーションがCM。休憩の度にみんなでお菓子パーティしたの良かったなあ。ピュレグミのパイン味、世界一美味しかった。どこぞのシェフが作ったのかと思った。あと、ちょっとずつ色んな袋が気圧でパンパンになっててかわいかった。なんなら私たちの手もクリームパンみたいになっててかわいかった。

18:40 八合目出発 標高3250m

写真見返してたら思い出した。この時めっちゃ疲れてた。
最初一番ばててた友達がサル能力を発揮してほいほい進む中、私は疲労とサル能力の欠如で岩場を登るのに苦労してた。もう道じゃなくてただの岩の羅列だから、ほんとに登るの大変だったなあ。けど、相変わらずメンタルはずっと元気でみんなで景色に感動しながら楽しく登っていたのは覚えている。

その景色がこちら

もちろん無加工。絵とか、アニメとか、映画とか、夢みたいに綺麗だった。あまりに今まで生きてきた世界と違くて、本当に現実なのかな?って疑っちゃうくらい。周りにいつもの友達がいたからまだギリ現実の可能性を信じられたけど、一人で登ってて周りにも人がいなかったりしたら、神隠しにあったって思っちゃうくらい、それくらい綺麗だった。

19:08の写真

夕日がやっと落ちてく。富士山が高すぎて夕日がなかなか落ちないのかな?あんまり原理がわからなかったけどとにかく日が長かった。そして夕日が落ちる瞬間、めっちゃくちゃきれいですでに泣きそうだった。きれいすぎて、ご来光ってこれとは違うの?ってなってた。

とか言ってるうちにどんどん日が暮れていく。ほんとは急がなきゃいけない時間。さっきまでツアーを追い越したりしていたのに気づけば周りにも全然人がいなくなっていた。私も世間的に見ればマイペースな方だけど友達はもっとマイペースだから全然急ぐ気配もなく、かなり薄暗い中9合目を目指した。
(読み返して思った。なんか友達のせいにしたけど普通に私のサル能力的にあれ以上は急げなかったわ。もしこれ読んでたら、すまん。)

どんどん暮れる。雲海も夕日も稜線もすべて美しい。

全然書き終わらないので九合目到着からは後編へ😇


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