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「アレって万国共通で面白いんだw」と分かった思い出

緊急事態宣言まったなしの世の中で、笑える話を思い浮かべられるかを試していて思い出した話。

プールへの着水失敗の腹打ちは、外国人にも面白い

90年代の話だが、先輩と先輩の友人と私という面子でバリ島に行った。

先輩の友人はとても旅慣れていて、少し大きめの巾着袋ひとつでバリまで来て、しかもそこから日本に帰らず更にどこかへ旅を続ける程のさすらい人だった。

到着したホテルのプールは、広く明るく静かで、大きなひょうたん型をしていた。
アンリ・ルソーの描く南国のような不思議な静けさの中で、老若男女の白人たちがプールサイドで思い思いに日光浴をしていた。

まばらな白人たちと少し距離をおいて、我々もデッキチェアに寝そべろうかと云うそのタイミングで、先輩の友人は、ついっと立ち上がった。

旅慣れた感じそのままに、飛び込み慣れさえしていると言う態で、プールまで数歩走り華麗に空中に身を翻して、次の瞬間に盛大に腹打ちをした。

「びったーん!!」

という大音量と水しぶきの「ざっぱーん!!」が、ルソー世界を切り裂いた。そしてその瞬間。

誰一人こちらを見るでなく、プールに沈む日本人を指さすでなく、みな一様に、笑いを悟られまいとしながら爆笑していた。

ある者は顔をそむけ、或いは本で顔を隠し、或いはタオルを顔にかけ、或いは肘で顔を覆った。

そのエチケットに感動すると同時に、やはりどのお国の方でも、他人の大失敗による不意打ちには、大笑いしてしまうんだな、と知った。

旅慣れた先輩の友人はさすがに旅慣れているだけあって「旅の恥はかき捨て」を地でいく清々しさで、笑われていることなんて全く気にせずプールから白人女性に「ハーイ」なんて言っているのだった。…かっこいい。

* * *

この続きは明日にでも書こうと思います。志村けんさんへのエールも込めて。

強面アラブ人男性を最後には笑わせた成田のバカ殿

堪能なはずの英語による先輩の病状説明は、私には面白かった

という見出しの予定にて。

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