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宙と蝶

先日劇場の帰りに思いました。
「なんでこのひとなんやろう」
好きな踊り子さんのことです。
とある劇場のお祝いの興行、
大人気のすごいスターみたいな踊り子さんたちが出演する週。
それぞれの応援さんやいろんなお客さんの熱と気を感じながらの帰り道、
「ああ、このひとや」
って、じぃんと、じわぁっと思い、言葉にしたい気持ちになりました。
 
エアリアル(空中演技)をやる。
ストリップにおけるエアリアルのパイオニア、
ちょっと他と比較とか並べるとかそんなどころの話じゃない。
「だから好き?」
うん、そう言われたらそうかもだけど、でもそれだけじゃない気もしています。
 
空中をする踊り子さんは他にも居て増えて?いて。
使い手のような人から、挑戦してみた人まで、さまざまでどのステージも楽しい。他にもすごい人もいろんな人も居る。
(わたしは技術的・専門的なことはわからないけれども)
空中をやることは体も、技術も、きっととても大変なこと。皆すごい。皆かわいく美しい。
空中をしない踊り子さんでも超アイドルとか超オーラとかいろんな人が居る。
空中も空中ではないものも、体も、技術も、心も、きっととても大変なこと。皆すごい。皆かわいく美しい。
 
そんな中で、中でも、皆ええなあ、と本気で思いつつも、
ああ、わたしは「このひとが好きだなあ」と思わされます。
毎回。観るたび重ねるたびに。
 
「なんでやろ」
 
例えばあの映画を「出しもの(演目)」にしてステージで表現する。
 
映画だけじゃない、さまざまなモチーフやモチーフなしのものも、さまざまなものをする。
 
どれもすべて「ああ、好きだなあ」
 
テーマ、あ、テーマという言葉はなんだか違うというかしっくり来ない。
主張激しくとか強く押し付けるというのとは真逆やねん。
なのに、なぜだろう、ひたひたと強くじわじわととても伝わってくるよう。
「伝えたいなあ、と思われている(であろう)きもち」が。
選曲、構成をされ、演技して見せられる「出しもの(演目)」の要素がなんだかぜんぶ〝ぴったりでしっくり〟のように感じ、
そこに組み込まれる布(シルクまたはティシューといわれる)やリング(フープ)、地上も、さらには空中が、「きもちがいいなあ」って。

一緒に連れて行ってくれるような気持ちがいつもします。
 
連れて行ってくれる?

うん。
 
ひとつは、
さっきも書いた「伝えたいなあ、と思われている(であろう)きもち」を共有する、みたいな感じ。
 
モチーフとされ、伝えようとされている(ように思う)テーマは簡単ではないと思うものも少なくない、ようにも感じます。
ストリップの劇場や舞台でかけるという意味でかけようと決められた時や「初出し」の際の気持ちは半端ないのでは? と思うものも少なくありません。
でも、一緒に気づいたり、悩んだり、考えようと思うようになったり、する。
作品の15分くらいの間は、めっちゃ楽しかったり、魅入って、没頭して、一体感……舞台上と客席皆との一体感を感じながら、自然と笑顔にもなっている。
でも帰りとか、帰ってから、劇場を出て、帰って、その後、いろんなことを考えたりもして。時に、調べたりとか劇場で出会った人たちと話したりとかもして。
 
そうして、観るたびに、より〝共有〟したい、一緒に感じたい、となる。
 
そして、もうひとつは、
それに加えて、それ以上に、空中で、地上で、
なんでかな、なんでやろな、
テーマや伝えたいこともそうだけれど、
それだけじゃなく、それ以上に、
「一緒にたのしく」「一緒にきもちよく」なる・なれる。
いつも、どの作品でも。
そう感じられるのはわたしにはこのひとなのです。

勿論、その感じ方は、わたしの主観でもあるんだろうけれど、それだけではないようにも思っています。
 
あたらしい出しものやリメイクが出されるたびに、
真剣な緊張と楽しみとドキドキという生反対ででも表裏一体な気持ちと、
なんとまあ「好き、だから好き」が更新されるのだから、なんか、なんだか、すごい。
出された出しものが、「初出し」から日や週を重ねると、なんだか、どんどん、変わらないのに変わってゆくのが、観るたびに飽きるどころか新たな視点や気持ちにさせられもする、これも、すごい。
 
それはつまり、
〝芯〟の部分がブレないまま、
芯じゃなく芯を覆う部分、つまり「見せる」部分が、
より美しくかわいく、と、共に、日々すげぇ試行錯誤とブラッシュアップをされ、
というよりそれが当たり前のように取り組んでおられ、
そのすべてが、見せてくれる作品から滲むから、のように感じてなりません。
 
そうして「伝えたいなあ、と思われている(であろう)きもち」はきっと、ゆっくりかもしれないけれど、ゆっくりとでもじわじわと伝わって、広がってゆく。

劇場で「皆できもちよくなる」空間と空気、一期一会のステージとして、さまざまな皆で皆に共有されてゆく。

なんか、これ、これも、これが、すごいこと。
 
応援隊のお兄さんは言います。「あの人、何をやっても品があるじゃん?」
最近仲良くなった聡明な子はふと言葉にされました。「ヒューマンみがある」

このふたつの言葉もなんだかとてもとても腑に落ちて、ぐっとくる。

という讃。勝手に讃。1ファンの、要約すればただ「尊いなあ」というひたすらに感情のつぶやきです。

あ、あと、ってか、これがすべてなんだけど、「かわいい」。
見た目がとかすべてふくめて、お茶目(死語やけどこれもしっくり)、うん、すべて含めた上で一言、「かわいい」。みんなかわいい、中でもかわいい。
 
このひとを通してみる劇場での世界、
このひとを通じて劇場で場と空気を一緒出来るいろいろな人、
わたしはそれがとても一番しあわせです。

観れて、会えて、あの空気の中にいられることが、うれしく思います。

いつもそんなことを思いながらの帰路(写真)です。
 
名前が好き。「テーマ曲」が好き。
ステージの後の、ストリップ的カーテンコールな時間の曲(どちらも)と、その際の空間と空気に、いつも、じわぁ、じぃん、とします、しています。

浅葱アゲハさん、という踊り子さんです。



詳細ってか、
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以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
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大阪の物書き、中村桃子と申します。 
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。

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と、あたらしい連載「Home」。
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2023、復活。先日、新作が出ました🆕

以下は、過去のものから、お気に入りを2つ。

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文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
あ、小道具の文とかも(笑)やってました。

担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
アーカイブがYouTubeちゃんねるで公開中
(貴重映像ばかりです。私は今回のアップにはかかわってないけど)


あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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