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大阪の翁、聖者の行進

近所のジイサンが叫んでいた。
「わしの人生は清く正しく美しくや」
なんでそんな言い切るねん。
笑うのを通り越してしみじみした。
ジイサンと言うには失礼かな、
でもオッサンではないな、やっぱジイサンかな、そんな歳のひと。元気。
ちょっと面白くなって振ってみた。
「そうなんですか?!」
速攻返事が返ってきた。
「そうや! 昼にラーメン食うたら夜なんも食わんでええねん」
意味わからん。
いや、私がわかっていないだけなのかもしれない。
この人は悟りをひらいたりとかしているのかもしれない。
ジイサンはもっと語りたそうだったけれど、
生憎私はその日焦っていたので説法を聴かずスルーしてしまった。
ジイサンはそのままご機嫌に帰って行った。
 
清く正しく美しく。
 
言わずと知れた宝塚歌劇のモットー、
創始者小林一三による言葉。
ジェンヌたちが弛まぬ努力で「かくあろう」とするすみれコードを
大阪の片隅で一体なにして生きているのかわからないジイサンが自信満々に言い、
ラーメンを食べて胸を張っている。
ほんまにほんとになんなんだ。嫌味じゃない。ジワジワ来る。
 
毎日同じ服を着ている爺さんだ。
着たきりの一枚ではない。
オバQみたいに同じ服を何枚も持っているらしい。
オッサンっていうかジイサンに近いので働いてへんのかもしれない。
ただ毎日駅のキヨスクに行ってスポーツ新聞を買っていることを私は知っている。
時間は決まっていない、けれど、法則がある。
かわいい店員さんが居る時間帯に行く。
かわいい店員さんと長いことお喋りしている。
最低や。いや、最低なんて言うたら最低やな。
店員さんと目があったことがある。互いにめっちゃ笑った。
 
やっぱり悟りなんかな。
私あこでもうちょっと話きいてたりしたら金の斧とかもらえたりしたんかな。
もしかしたら峨眉山に住む仙人なのかもしれないな(杜子春)。
聖人なのかな。
 
ないか。ないな。
 
元気があって大変よろしい💮やな。
 

一日一個更新。なんの意味も含みも深みもないことを書いてしまった。
聖とはなんや俗とはなんや。

峨眉山には連れて行ってもらえないので、先日の奈良公園の紅葉写真にて失礼します。

あ、あと、こないだ寺山修司に会いました。


以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
よろしければお付き合い下さい🍑✨
ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。

大阪の物書き、中村桃子と申します。 
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。

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旅芝居・大衆演劇関係では、各種ライティング業。文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。あ、小道具の文とかも(笑)やってました。担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、アーカイブがYouTubeちゃんねるで公開中(貴重映像ばかりです。私は今回のアップにはかかわってないけど)


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