令和6年、ぼくは何をしているんだろう。
平成20年、夏。
二十歳のぼくは免許を取った。
金が安いからという理由で、新潟の新幹線が止まる駅から、車で20分ほどかかる合宿所付きの自動車学校に、ひとりで行くことにした。同じ大学のみんなは、高校卒業と同時に免許をとっていたので、ひとりで行くしかなかったのだ。
合宿所にごはんは付いていなくて、代わりに近くの喫茶店の定期券みたいなものが配られた。その喫茶店のハンバーグがおいしかったことを覚えている。
深夜のコンビニに合宿所を抜け出して酒を買いに行って、みんなで大きな声で乾杯して怒られたり、東大と早稲田に通う女の子と一緒に自転車を借りてカラオケに行ったりした。でも、何もなかったり、MステでHANABIを歌うMr.Childrenを正座をしながら見たりした。
それなりに楽しい合宿所生活だった。
●
令和元年、夏。梅雨明け間近。
運転免許センターで、あの夏の合宿を思い出していた。
何が言いたいかというと、グリーン免許3年、ブルー免許3年、ゴールド免許5年が経過し、この夏、ゴールド免許に更新した。
早いもので、あの夏から11年。
3回目の免許更新を迎えて、免許の発行を待つぼくは、ふと思った。
11年前、8年前、5年前のぼくは、今のぼくを想像できたのだろうか、と。
11年前のぼくは大学生で、今の職業につくことは予想できたけれど、地元に戻っているとは思わなかった。
8年前のぼくは就職したばかりで、こんなに先輩がいなくなって、ベテランの層に自分が入っているとは思わなかったし、今のような目標を持っているとは想像もつかなかった。奥さんとは別の人とお付き合いをしていたし、その人と結婚するものだと思っていた。
そして、5年前のぼくは、奥さんと結婚したばかりだったけれど、二人の子供と巡りあえることは想像していなかった。仕事を辞めるか、辞めないか迷って、結局辞めないという選択肢を選ぶことは、想像がつかなかった。その時から朧げながら長くこの病院に勤めることはないかもしれない、と思っていたらだ。家を建てることだって想像がつなかったし、こうやってnoteを書いていることさえ、想像がつかなかった。
そして、現在のぼくがいる。
過去の自分に、「想像以上に仕事は困難だ。でもチャレンジすることに決めている。奥さんとの生活は想像以上に楽しいし、子供は想像以上にかわいい」とでも言っておこう。
果たして、次回免許更新の令和6年。ぼくはどこで何をしているのだろう。
どんな生活をして、どんな想いを持っているのだろう。
どんな目標を持って、どんな仕事をしているのだろう。
noteを書いているとしたら、どんなnoteを書いているのだろう。
すごい先のようにも感じる。だから今、過去を振り返ったときと同じように、想像もつかない展開になっているかもしれない。
まずは奥さんと一緒に生きていたい。
そして、満足の行く仕事をして、常にチャレンジを続けていたい。
子供の成長を見て、免許の更新をするときに、5年前のお前が想像している以上に幸せだ、と思いたい。
そのために、今何をできるか。
とりあえず、やるべきことは多いから、安全運転で家に帰ることにした。
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