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中国での展示会レポート

2019年、3月1日〜4日までの4日間、中国上海での展示会に参加しました。

中国では展示会が頻繁にあり、上海だけで年間600〜700ほど展示会が開催されています。
大規模な展示会場も上海だけで十数ヶ所あるので、毎日どこかで展示会が行われています。


もし中国で展示会に参加することがあるなら、政府運営の展示会に参加するべきです。出展者の事前審査や提携業者など、政府の認定があると業者の信頼性がまったく違うからです。

政府はお金を使ってメディアも呼んでくれます。
(中国ではメディアはお金を払ってきてもらうのが通常。記者は個人事業主扱いであるため、最低でも交通費を出さないと来てくれない)

また政府主催の場合は、来場者が全然来ないというメンツ丸つぶれの結果を全力で回避してくれるのである程度の来場者数が見込めますが、民営の展示会の場合だと、たまにまったく人がこないこともあるからです。



そして、中国の展示会では日本では考えられないことが起きます。
今回私も初めて出展者として参加しましたが、驚きの連続でした。

まとめてみたのでどうぞ読んでみて下さい。




◆展示品が盗まれる

(前半2日間のブース)

(後半2日間のブース:バリケード付き)


4日間の内、前半2日間はバイヤーや業者のみへの開放です。そして後半の2日間は一般人の入場もOKとなり、誰でも入って来られる状況になります。

つまり泥棒が増えるのです。


もちろん初日から展示品を盗られないように気をつけますが、特に後半は身元不明な人が増えるので危険度が高まります。

特に後半2日間は展示品が盗まれないように展示品前にはバリケードが必須。
(ちなみに私の背後で展示されているブースでは初日からボールが盗まれていました)



特に大きなニット帽をかぶっていて、大きなリュックを背負っているやつは泥棒だそうです。

帽子の中に盗んだものを入れているそうな。




◆休憩室になぞのオッサン現る

今回、ブースの一区画を使って休憩所兼荷物の管理場所を作っていました。
知り合いの会社何社かで共同で使えて、貴重品を置いたりコーヒーを淹れたりお菓子を食べたりひと息つける場所。

しかしある朝、突然しれっと知らないオッサンが現れてクッキーを貪り出す事案が発生。

「オッサンだめだよ!」と追い払うと、そのオッサンはコーヒーのボトルを持って逃走


追いかけてコーヒーを奪い返しました。


ちなみにコーヒーの1本くらい、と思って見逃すと味をしめてリピーターとなる、もしくは仲間も同じことをしにやってくるため、悪いことをしていることに気づいた時は必ず奪い返しましょう。




◆閉めているブースで勝手に営業を始める。


後半、仕事の都合により出展が終わらせて帰った企業様がいたため、一部ブースを閉めました。
すると、しばらくして知らないおばさんが二人やってきてブース内に勝手に入り込み、モノを販売し始めました。しかもサクラ付きです。
二人で化粧品の売買を始めたのです。
しかもサクラは「こんなに良くて人気の化粧品がこんなところに!安〜い!!」とか言ってるし・・・

急いで警備員を呼びましたが呼んでも来てくれない・・・


結論:自衛するしかない。

自分たちでおばさんをおいはらいました。



◆詐欺に注意

場内では<<一応>>警備員が巡回しています。
机にスマホなどの貴重品を置きっぱなしにしていると「しまいなさい!」と注意されます。

そしてたまにこのようなチラシを渡されます。


このチラシの内容は、

「最近、大型展示会に参加している方へ向けて、提携物流業者が格安で展示品を運ぶと言ってくる詐欺が多発しています。
上海展示会の名誉や秩序、海外からの上海のイメージが著しく損なわれるため、このようなことには十分に注意してください。

数名の男が展示会場の近くで"上海でとても有名な物流会社"であると名乗り、預かった荷物を盗んだり高額すぎる運送費を請求したりします。

安いからと言ってむやみに怪しい業者に依頼せず、正規の業者へ依頼して下さい。もし疑わしい人を見つけた場合は直ちに通報をお願いします。

また、人のブースへ勝手にモノを置いて占領し、"どいてほしいなら金を払え"と脅したりしてくる事案もよく発生しています。
その場合は110へ通報をお願いします。」

(省略のため文章内容を多少変更しています)



このチラシを見た父

「こんなん配ってるだけだから。ポーズだよポーズ。」


一応ちゃんと警告したからな!
被害にあっても自己責任だからな!
ということらしいです。

こういうチラシを見せられたあと署名までさせられました。


結論:自衛するしかない。



◆営業がすごい

ブースにいると、無言で名刺やチラシが投げつけられます。

内容は大体、お弁当か名刺のスピード印刷。
そしてたまに他の展示会、アプリやプラットフォームの作成会社のちらしが混ざっています。

知らない間にどんどん積み上がります。

・・・こんなに名刺いらんわ。

そして無言で投げつけられても依頼せんわ。


これは、業者が人を雇って名刺やチラシを全ブースに配らせているのです。
なので配る人は、ただ仕事だから配ってる。
だから営業トークをする必要もない。
印刷物の無駄遣いだと思うのですが。。。


たまにみずからが営業して回ってる人もいますけどね。
特にお弁当なんかはそういう業者が多くて、「お弁当いりませんか?」と何度も聞かれました。



◆安易に価格を教えてはいけない

いくらですか?と聞かれて、すぐに値段を教えてはいけません。もちろん増値税や郵送費など、中国へ送ると本来の値段よりも高くなってしまうので計算しなければいけない、ということもあります。

しかし1番の大きな理由は、値段を知って高価なものだと分かると泥棒に狙われやすくなるからです。
また、パンフレットなどを持ち帰って似たようなものを作り、こちらの価格より安く売り出される可能性があります。

商談しに行ってるはずなのに値段を教えてはいけないとか矛盾でしかない。


「興味があるのなら後で見積もり出します」

と答えるのが正解なのです。

そして相手の名刺にある会社を調べること。




◆展示会用の名刺を作ること

展示会で知り合う人との連絡手段として名刺をお渡しするのですが、、、、
名刺だけを全ブースから集めてる輩がたくさんおりました。


奴らはどういう目的なのかと言いますと、その名刺の連絡先をリスト化し、販売するのです。
また、その名刺に一気にDMを送ったり、他の展示会の案内を送ったりします。

かなりたくさんいたので、あっという間に名刺がなくなります。
なので、後半になると本当に名刺を渡したい相手に渡せなくなります。


展示会専用の名刺が必要だと思いました。



まとめ♡

とにかく、商魂がすごすぎる。
ハングリー精神がめちゃ強い。
常識の斜め上をいく国、中国。


これを読んで、「中国怖い。」と思いましたか?


私は「日本って平和で恵まれてるよなあ」と思いました。
盗難などについては、色んな国にある問題だと思います。
中国だからではなく、日本が特別なんです。



日本と違うのは、そのスケールの大きさ。
注文の数も桁が違います。
15万円のものを1000個発注とか、100万円のものを20000個発注したいとか。
斜め上いく行動も、中国をある程度理解していれば「そうくるかー!笑」と笑えてきますので、ぜひ中国という国を知ってください。笑


チャイナドリームは日本に閉じこもっているだけでは掴めません。
ハードウェアが発達しまくり、ソフトウェアが追いついていない国、中国。
発達しまくったハードウェアは日本でも利用できますし、ソフトウェアが追いついてないからこそ日本の細かいサービスや商品はまだまだ需要があることに気づけます。


幸い、わたしには中国国内に信頼出来る仲間がいます。
もし中国進出を考えている方が周りにいらっしゃれば是非ご相談くださいね。


P.S.
商談だけでなく泥棒への威嚇や展示品の管理で気を張った毎日だったので、出展はめちゃめちゃ疲れました。。。

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