私の大人時代④ 発達障害とジェモセラピー

発達障害

子ども達が小学生くらいになると、3歩歩くと忘れるほど忘れっぽいこと、脱いだ服を片付けられないこと、ランドセルがぐちゃぐちゃなこと、畳んだ洗濯物を自分の引出にしまえないことなど、日常生活にイライラすることばかり。躾はもうあきらめて、「ママに嫌がらせをされているような気持ちになるから、頼むから服はしまってほしい」と懇願していた。

ある時、学校で呼び出しを受け、忘れ物が多いこと、提出物が提出されないこと、友達に対する不用意な発言、モノの扱いが乱暴なこと、体育の態度がふざけているなど、5人の先生から娘の注意を受けた。私は一生懸命育てているのに、もうどうしてよいのかわからずその日は泣きながら帰った。一生懸命育ててきて、家庭での呼びかけもしてきたのに、なぜわが子だけこうなのか。今ほど発達の多様性についての情報がなく、「ジャイアンとのび太」というわかりやすい形で子どもの発達障害の診断やカウンセリングをする女性医師(その方自身もその傾向にあり、4人の子どもを育てる母でした)にたどり着いた。
カウンセリングと検査のテストを受けて、娘の発達の凸凹についての説明を受けた。私も忘れ物が多く、そそっかしいことはよくあるので、発達障害と言われる凸凹の具合がわからず、私も検査を受けてみた。検査テストの内容は興味深いもので、小学校受験のテスト内容そのもののようだった。私の診断は「普通」というものだったけれど、後天的に学習したり修正してきたのかもしれないとも感じた。

今は、薬を処方する医師もいるらしいが、その医師には、親のカウンセリングをすすめられ、定期的に、娘への接し方や伝え方、サポートの仕方の指導を受けて、親の苦しさについて聞いてもらっていた。娘の場合は思春期で反抗期の中高生になっていたので、「放牧をしていればいい。失敗させることで、傷つくかもしれないけれど、自分で対処する方法を見つけていく。」と教えられた。また、「どこの家庭や親族にも、あそこの叔父さんは変わっている、みたいな人がいるものですよ。寅さんもそうですよね。本当にいたら困ったものですが、時々帰ってくるから、みんなに愛されている。蜷川さんの娘さんは、周りと同じにならなくていいと育てられてカメラマンの道が開けたんですよ。普通じゃないことは悲しいことではないし、家族にとってもそういう存在が身近にあることは、他人への寛容さが生まれるという恵みなのですよ。」という話に救われた。

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