探し物は探している今は見つかりません
わたしはよく、概念を探す。
例えば、高校生、大学生の時には“青春”を探した。
口癖は「青春がしたい」だった。
でもその時には結局見つからなかった。
見つかったのは青春が過ぎた頃だった。
「青春がしたい」と言っていたあの時は、とても青春をしていて眩しかったな、と。今になって思う。
そして今は“東京”を探している。
就職で地元に戻るため、東京で過ごす時間も残りわずか。
その中でわたしが探しているのは「東京らしいもの」だ。
でもわたしは知っている。“東京”は東京にいる間は見つからないということを。
きっと地元に戻って少し経てば気がつくと思う。
今、この瞬間がとてつもなく“東京らしい”ということに。
就職したらわたしは何を求めるだろう。
見つからないとわかりながらもおそらく探し続けるだろう。
その瞬間が本当にかけがえのないものだと知らないふりをして。
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