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「潤い不足」を改善するための薬膳方程式とは

のぼせる、ほてる、のどが渇く、寝汗をかく、寝つきが悪い、手足に汗をかく⋯。もしこうした症状に心当たりがある場合は、「潤い不足」の可能性があります。

東洋医学で考える「潤い」とは、皮膚や粘膜、内臓、筋肉、関節などを保護し、みずみずしく整えて働きを潤滑にする水分のこと。リンパ液や細胞内液、粘膜を守る粘液、唾液などの分泌液も「潤い」に含まれます。

「潤い不足」の場合、上記以外に次の傾向がみられることもあります。

▢頬骨のあたりが赤い
▢熱感がある、微熱がある
▢尿の色が濃い黄色
▢大便が乾燥気味
▢不眠
▢めまい
▢耳鳴り
▢皮膚や髪につやがない、乾燥している
▢目が乾く

いかがでしょうか?
該当する項目が多いほど「潤い不足」の可能性があります。

体調を自己管理!東洋医学式・体内バランスチェックシート

この記事中のチェックシートでDが最も多い場合は、「潤い不足」の可能性があります(東洋医学の言葉で「陰虚(いんきょ)」の状態)。気になる方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

「潤い不足」とは「日差しが強く乾燥した大地」のような状態

なぜ「潤い不足」の状態になるのか。
その根本原因は、自然界の原理に当てはめることができます。

自然界では

・太陽が昇ってになると地上にがあふれ
・太陽が沈んでになると大地が冷えて水分(潤い)をたくわえる

この昼と夜のサイクルがバランスよく繰り返されています。
これによって、熱くなりすぎず冷えすぎない適切な自然環境が保たれているのです。

しかしもし太陽の日差しが強すぎたり、なかなか日が沈まずに昼が長くなったら、大地の水分は干上がり、乾燥して熱を帯びてしまうでしょう。

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「潤い不足」とは、このような状態が体内で起きているといえます。

人間は自然の一部であるため、人間の体にも自然と同じ原理が働くと東洋医学では考えます。

・太陽が昇っているは活動することで体内にを生み出し
・太陽が沈むは休息することで潤いをたくわえる

人間の体も自然と同様、「昼=熱」と「夜=潤い」のバランスがとれていることで、体が熱くなりすぎず冷えすぎず健康を保てる仕組みなのです。

しかし、夜になっても休息せずに昼間と同様に活動していると、
体内の熱が過剰に。
そして熱によって体内の潤いは消耗され、乾燥してしまうのです。

また、乾燥した大地では熱い空気が上昇気流となるように、
「潤い不足」の体内では余分な熱が上半身や頭部へと上昇します。

そのため頭部に熱がこもりやすく、ほてり、めまい、のぼせ、微熱、肌の乾燥、のどが渇く、不眠などが現れやすいのです。


夜型生活、過労、ストレスなどが「潤い不足」を招く

「潤い不足」の主な原因である、活動過剰で休息が足りない生活習慣。
これは夜型生活の人に多くみられます。

また、過労、ストレス、睡眠不足なども活動過剰な状態であり、体内の潤いを消耗して乾燥させる要因です。

そのほか、辛いものの食べすぎ、喫煙、飲酒、加齢なども「潤い不足」を招くといわれています。

このような生活習慣に当てはまる場合、「潤い不足」を改善する薬膳を取り入れることがおすすめ。

「潤い不足」は、単に水分補給をしてもなかなか改善されません。乾燥した大地にただ水をかけただけでは、すぐに蒸発して潤わないのと同じです。

乾燥した大地を潤すためには、土が水をたくわえられるようにしなければいけません。
同様に「潤い不足」の体質を根本的に改善するには、体内で潤いをたくわえる力を養うことが大切なのです。

「潤い不足」を改善する薬膳は、この方程式で食材を組み合わせるだけで完成!

薬膳で「潤い不足」を改善するといっても、難しくはありません。
「潤い不足」を改善する薬膳は、次の方程式で食材を組み合わせれば作ることができます。

★「潤い不足」を改善する薬膳方程式★
【潤いを補う食材】+【血液を補う食材】+【熱を冷ます食材】


薬膳を作る際は、次のリストから食材を選び、方程式通りに組み合わせればOK!

陰虚食材リスト


・メイン食材の「潤いを補う食材」は、主役となる食材。この食材を一番多くとるようにしましょう。

・「潤い不足」は血液の不足にもつながりやすいので、「血液を補う食材」もサポート食材としてプラス。

・さらに、潤いを消耗する過剰な熱を取るために「熱を冷ます食材」も組み合わせれば完成!

この方程式で食材を組み合わせた献立の一例をあげると、

・ホウレンソウ入りカルボナーラスパゲティ(タマゴ、チーズ、ホウレンソウ、小麦)
・豚肉とニンジンのトマトスープ煮(豚肉、ニンジン、トマト)
・ホタテとイカと白菜のスープ(ホタテ、イカ、白菜)
・小松菜とニンジンの白和え(小松菜、ゴマ、ニンジン、豆腐)

などなど。
ほかにもいろんな献立が考えられそうですよね。

どれも一般的なレシピですが、「潤い不足」を改善する立派な薬膳。
簡単だと思いませんか?
薬膳って実は、手の込んだ料理を作る必要も、特別な食材を使う必要もないのです。
特別な技術も難しい理論も不要。
スーパーで買える食材だけでできるから、今日からでも始められます。
ぜひ日々の献立に取り入れてみてください!

なお、「潤い不足」を改善するためにはコツや注意点がいくつかあるので、こちらもチェックしておいてください。

「潤い不足」を改善する薬膳 コツと注意点

★炒め物や揚げ物などの水分の少ない料理よりも、煮込み料理、スープ料理、クリーム料理などの水気の多い料理が潤いの補給に適しています。サラダなどの冷たい料理も適しています。

温める性質を持つ食材は控えめに。トウガラシ、コショウ、山椒、ピーマン、ショウガ、ネギ、シソ、ミツバ、羊肉、エビなどは体を温めます。

水分の排出を促す食材は控えめに。酒、トウモロコシ、冬瓜、小豆、大豆、黒豆、そら豆、シラウオ、ハマグリ、サクランボなどは水分の排出を促します。

★香辛料を多く使うような辛い味つけは控えましょう。体内の水分を発散させてしまいます。

いかがでしたか?
以下の記事では、「潤い不足」の改善におすすめの簡単レシピも紹介していますので、よければご活用ください。
レシピ記事は随時アップしていきます^^

「潤い不足」を改善する小松菜ジェノベーゼソース

「潤い不足」を改善する簡単薬膳レシピ10選。毎日の献立に応用しやすい豊富なアレンジ例も!

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