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今さらながらの大プッシュw「ウマ娘 プリティーダービー」に、現在ハマっておりまするw

2021年はアニメが「小林さんちのメイドラゴン」、ゲームは課金までして躍起にプレイしたものはなかったものの、記事を書く関係で「グランブルー・ファンタジー」を中心にして携帯でちょこちょこ遊んでいた。だが、セガサミーが鳴り物入りで市場に投下した「サクラ革命」が半年で爆死し、結局その後はこれといったビッグネームが登場しなかった、という当ての外れた年だった。ならば、覇権を奪取したと大騒ぎになっている「ウマ娘 プリティーダービー」でもやってみるかぁ、がきっかけだった。
ダウンロードし、育成を始めてみたものの競馬素人のおいらにゃさっぱりわからない上、作品独自の世界観ってのがあって、これもわからないからすぐに飽きてしまい、一端プレイをやめていた。
・・・のだが、このゲームはまずアニメで火が付き、その勢いで今ソシャゲ界を席巻しているという経緯を知り、ならばアニメをまず見てみよう、と無料で視聴できるサイトを探し始めたわけだ。

いいタイミングで、ネットテレビのアベマTVが「ウマ娘 プリティーダービー」の第二期全話を時間限定で無料開放していたのを見つけた。年末年始の休みをとっていた最中だし、うちの婦長さんは去年からのコロナ激務に疲れ果てていて、部屋にくればグーグー寝ているばかりということもあり、早速PCでアニメを見始めることにした。
・・・いや、あんなにかわいいキャラばかりがわんさか登場する展開なのに、栄光と挫折、そして復活を目指す王道ストーリーが始まって、13話まで一気に駆け抜けてしまった。こんなすごいアニメだったのか、としばし茫然とし、もう一度第一話から見直して、などとやっているうちに自分が「ウマ娘 プリティーダービー」の沼にハマっていることを自覚したのだ。

●まさかの号泣!なんなんだこれは?!●
話を始める前に、この作品を簡単に説明したい。
タイトルからもわかるように、かつて実際に存在した競馬馬が擬人化、美少女化されている世界が描かれている作品だ。素晴らしいのは、実際には男馬であっても作品では美少女になっていることで、つまり「ウマ息子」という概念を最初から否定していることだ。もちろん女馬はそのまま美少女で登場するので、作品中の野郎とはウマ娘を調教するトレーナーや、スタンドでウマ娘たちを応援するファンのみとなっている。このむさ苦しい野郎どもを極力画面から排除している点がいいではないかw

アニメの「ウマ娘 プリティーダービー」は第1期が2018年4月から6月まで放送され、第2期が2021年1月から3月までの放送(つまり、もう本放送から1年が経過しているんだね)となっている。
第1期はスペシャルウィークという97年から99年にかけて活躍した馬をモチーフにしたウマ娘が主人公で、北海道から東京にあるトレセン学園にやってくるところから物語が始まる。実際のスペシャルウィークも北海道の紋別出身で、そういう部分からアニメのキャラ設定も合致するよう組み立てられている。競馬を知らないおいらのような人間には、地方から日本一を目指して上京してきた女の子の奮闘物語であるし、スペシャルウィークの走りで当時熱狂していた人たちにも、随所であの馬の特徴だったり癖や傾向を思い出させる演出が盛り込まれていて、どちらの層にも楽しめる構成になっている(はず)。

第2期は、スペシャルウィークよりも少し前の時代に競馬ブームを巻き起こしたトウカイテイオーが主人公となり、実際のレースでも戦ったことのあるメジロマックイーンがライバルでありながら親友として一緒に成長していく「ダブルヒロイン」というスタイルがとられている。これも調べてみるとよくできていて、テイオーは生まれながらにしての「走りの天才」で、特に苦労もなく無敗のまま三冠馬を目指す、というドラゴンボールの悟空のような明朗快活で爽やかささえあるアイドルホースとして登場する。一方のマックイーンは、深窓の令嬢でありながら努力を重ねて表舞台にいる、という対照的なキャラクターになっている。実際の両馬も同じような立ち位置の上、テイオーは中距離が得意だがマックイーンは長距離が、で二人が同じレースで戦う為にはどちらかが無理をしなければならない、という制約のかかり方も一緒だ(だから、この両馬が戦ったのは92年の天皇賞(春)しかない)。
テイオーの物語は、絶頂期で骨折、復活してまた骨折、というリアルなテイオーと同じ故障禍の中で進んでいく。その間、マックイーンはレースを続けながらテイオーの復調を待つのだが、ここで展開される心が折れそうになるテイオーとそれを励ます周囲の声や奮闘が、実際に馬たちが戦ったレースそのままにアニメで再現され、こういう場面ではオールドファンも毎週涙を流していたのだそうだ。

おいらは、序盤からテイオーを勝手にライバル視し、いちいち絡んでくる青い髪の子が、最終話を見終わって一番好きになった。明らかに他のウマ娘たちより小さいし、自分のことをターボと呼ぶ変な子でもあったので、ああ、こりゃ賑やかし担当のモブキャラだな、と最初は思っていた。
だが、故障に挫折し引退を決めるテイオーに、まだ諦めるな!と自分の出場するレースで序盤からダッシュをかけ続け、それをゴールまで維持して勝つ。レースの途中、息が上がりそうになりながら、青い髪の子は「これが諦めないってことだぁ!」と叫び、続けて「トウカイテイオー!」とライバルの名前を呼ぶ。この様子をモニターで見ていたテイオーは言葉を失い、投げかけられた言葉の通り、もう一度レースに出る為のリハビリと調整を開始することを決める。
もうね、このシーンでティッシュ1箱を一気に消費するほど大泣きですよ、大泣き。

この第10話を見て、おいらは元ネタになっているツインターボという馬が、現実世界ではどんな走りをしていたのかを調べてみた。まさにアニメの通り、先行逃げ切りしかできない馬で、結果は逃げ切ってそのまま勝つか、途中で息が上がって失速するか、の二択しかない馬だった。
そして、テイオーを翻意させたレースも本当にあったものだった。93年のオールカマーは、中央競馬でツインターボが挙げた最後の勝利だった。


【コメ付き】リアルとアニメでツインターボ比較【ウマ娘】
https://www.youtube.com/watch?v=A58iflCK2yA


アニメに関係なく、ツインターボは不思議に人気のある馬でもあったそうだ。今度は走り切るかもしれない?という期待のほとんどは裏切られ、逆に勝ったレースは伝説的に語られる。ファンの中にはこの馬に向けて「俺の馬券は気にせず、走れ!」という何とも言えない味のある横断幕を掲げた人もいたのだそうだ。
そうした空気は実況するアナウンサーもわかっていて、ツインターボにはこの馬じゃないと飛び出さない独特なフレーズがいくつもあるのだという。紹介した動画の最初は93年の七夕杯だが、第四コーナーを抜けてまだトップにいるツインターボへ「吼えろ!ツインターボ!」と実況なんだか応援なんだかわからない絶叫を浴びせたのは語り草のようだ。オールカマーでも勝ったツインターボへ向けられた「逃亡者!ツインターボ!」もこの馬の代名詞になっている名フレーズなのだそうだ。
逆に、アニメではOPで一瞬だけ使われている94年の有馬では、飛ばしに飛ばしてトップを突っ走ったものの、スタミナが切れ第四コーナーの中で馬群に飲み込まれていく様子を「ツインターボの先頭はここで終わり!」と冷静に表現したコメントも「ツインターボならでは」となっている。この馬のことを知れば知るほど、こういう表現が口をついて出てくるよなぁ、、ということもよくわかってくる。本当に愛すべき一発屋なのだ。

ちなみに、ツインターボがこういう戦法に行きついたのは、とにかく臆病な馬で、馬群の中にはいられなかったから、単独で走れる環境を自分で作り上げなければならず、だったそうだ。しかも、スタートが下手で、短距離では勝負にならない為に中距離で、からの出走すれば常に大逃げ、それしかない!という馬になってしまったそうだ。
馬体も明らかに小さく、臆病じゃなくてもまず他の馬に囲まれて走ったら自分の進路をキープもできなかったろうし、ツインターボ陣営は毎度大変だったのではないだろうか。
この馬で最もいいな、と思ったのは、バテバテでゴールインした後に泡を吹いて倒れたこともあると聞いた時だ。勝っても負けても、常に限界まで戦おうとするその姿勢は素晴らしい。

●それぞれの馬に、それぞれの物語がある。ウマ娘はそうした一つ一つを教えてくれるアニメだ●
アニメでは、テイオーのライバルであり親友として描かれているメジロマックイーンは、リアルでは孫にあたるゴールドシップと同じチームに所属する仲間としても描かれている。そういう血縁関係があるので、アニメやゲームの中でもお嬢さんマックイーンをやんちゃなゴールドシップがイジり倒す、という展開がよく出てくるのだが、本当の両馬を知っている人には、ありえないだろ、これwと違和感もあっただろう。
実際、ゲームのウマ娘立ち上げの際には、レジェンド騎手の武豊もアドバイスを送る形で参加していたそうなのだが、最初に企画を聞いた時は、馬場を美少女が徒競走するなんてシュールだろうなぁ、と思ったのだそうだ。確かに、最初は陸上のようにレーンもない場所をわざわざ馬っぽく位置取りしながら女の子が走る姿は、おいらも「え?」という感じだった。しかし、そんなものはちょっと見ていれば慣れていくものだ。「艦隊これくしょん」だって、擬人化、美少女化で企画がポシャることはなかったわけだしね。

アニメ第二期では、ライスシャワーというウマ娘が登場し、一生懸命走った結果勝っているだけなのに、そのレースは三冠のかかったビワハヤヒデの勝利を望まれていて、天皇賞(春)3連覇がかかっていたマックイーンにばかり同情が集まって、で勝ったライスシャワーは嫌われ者になり、彼女が苦悩するシーンが続く。
これも実際にあった話で、ライスシャワーは他馬の偉業を妨害する馬、ということでファンから嫌われていたのだそうだ。ライス嫌悪の空気を察したJRAが93年天皇賞(春)のCMで「ヒールか、ヒーローか」というコピーを使ったほどで(これが名CMとして今も語られているらしい)、どれだけライスシャワーはいじめられていたのか、とそれだけで涙が出てくる。
アニメでは、そうしたファンの勝手な思いに打ちのめされるライスシャワーが、マックイーンの邪魔をしないよう天皇賞(春)の出走を取りやめるとまで言い出すのだが、これを聞いたマックイーン自らがライスに、レースへ出て自分を打ち負かしてみなさい、と檄を飛ばす「ならでは」な場面がある。おそらく、当時の雰囲気を知っている人には刺さりまくる展開なのは間違いないだろう。
実はこのライスシャワー、勝っていくことで強い馬だと逆に人気を得るようになり、ファン投票1位で宝塚記念に選出される栄誉も得ることになるのだが・・・、なんと、そのレースで故障を起こし、安楽死が選択される悲劇の馬でもあるのだ。こういう最期もわかっていれば、アニメの中でがんばる美少女ライスへの思いも格別なのではないだろうか。

もちろん、ライスシャワー自身が、勝っても祝福の声が挙がらないスタンドに何を感じていたのかは、おいらにはわからない。馬は人間で言えば3歳児くらいの知能がある動物らしいので、場の空気を読めたり、自分も人間だと思っているような馬もいるということだから、ライスシャワーが自分への冷たい視線を全く感じないままだったとも思えないのだが、そう考えるだけでたまらない気持ちにどうしてもなってしまう。
アニメでは、そんなファンの思いのようなものも反映させてキャラ設定がされ、ストーリーが構成されているので、人気が出ないわけがない、ということなのだ。

●もしかしたら、競馬ファンになってしまうかもw●
おいらは、競馬と言えば小学校から馬の名前で笑う、くらいの距離感でいた。
ただ、世間では何度か競馬ブームというのが起きて、小学校の頃はハイセイコーという馬の人気がすごかった。騎手の増沢末夫が歌った「さらばハイセイコー」という曲(軍歌みたいだったけどw)がヒットもして、それで何となく気にはしていたが、教室で競馬新聞広げて予想するなんて所まではヒートアップせず、まぁ、大人が勝手に盛り上がっている何か、ではあった。
その後、77年の有馬でテンポイントとトウショウボーイの一騎打ちが話題になって、おいらも馬の名前を見ているとグリーングラスっていいなぁ、なんて感じ、それで友達何人かとテレビで見ていた。グリーングラスがレースの最後で名前を連呼されたから、あら、何気に強い馬なんだ?と思っていたら、結局テンポイントが優勝しててなぜかがっかりした、という記憶はある。
後は、シンボリルドルフで大騒ぎになった時(大学入った頃かな?)、次はぬいぐるみまで大ヒットしたオグリキャップ(バブルの真っ最中だね)、そしてウマ娘で主役になったトウカイテイオーときて、次のナリタブライアンあたりまではブームの時だけ横目で見る、という感じでいたのだが。

実は、そんなおいらでも1回だけ馬券を買ったことがある。
それがこのレースだ。大学3年の12月だった。


1986年有馬記念 - ダイナガリバー
https://www.youtube.com/watch?v=07xwv0AWzEE


この年は教育実習があって、おいらも幼稚園で授業を初めて経験したのだが、その際にガリバー旅行記の紙芝居をやったら異様に受けて、担任の先生にも(お世辞で)めちゃくちゃ褒められた上、レポートを日案(日々の授業計画のこと)にして提出して欲しい、とまで言われた。で、有頂天になって迎えた年末に、実家へ帰って新聞を見たら「ダイナガリバー」という馬が有馬に出ることがわかり、あ、ここでもガリバーか、じゃ記念に馬券でも買ってみようか、で横浜は日ノ出町にある場外馬券場まで行ったわけだ。
買い方もわからない中、よくよく出走表を見るとダイナとつく馬がもう一頭いるので、これだと連勝複式で買えるんだよな?と思い、ダイナガリバーとギャロップダイナで、と窓口で5千円札(当然、昭和なので緑の聖徳太子だw)を出した。

レースはご覧のように大接戦だったのだが、おいらが、あー、1頭だけを当てる方でダイナガリバーにしときゃ当たったのにwとたらればを言っている間に、なんとギャロップダイナが最後の最後で逆転して2着になり、腰を抜かしたのだw
まぁねぇ、換金しにいってこれはヤバい、マジでヤバいよ競馬は、と思ったのですよ。大学生がこんな大金抱えちゃあかん、ということで正月にお袋へお年玉と言いながら半分渡し、残りは大学の学費にしてしまった。
こういう経緯があるので、おいらの生涯連帯率は未だに100%、今後もこれをキープしたいので多分馬券は買わない(ここぞという時に勝負弱いのは麻雀で思い知らされているしねw)。
でも、昔の馬を紹介している雑誌などがあれば、積極的に読んでいきたいと思っている。馬は掘れば掘るほど興味深い話に出会えそうなのでね。

あ、それとこの記事を書いていて気が付いたのだが、86年の有馬にはウマ娘になっている馬は出ていないみたいなのだな。確かに、スターホース不在だ、なんてことを当時テレビでも言っていたしね、仕方ないか。ダイナガリバーは育成してみたいけどねw

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