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K-23 完結:もりのふるぎやさん

お別れのことばをみんなで輪になって いっしょに唱えよう!

 西の空にかなり傾いたお日さまが日暮れの近い事を伝えていました。
もりのふるぎやさんのお店に戻ってから トカゲおじさんに羽と衣装をはずしてもらった時 みんな同じ気持ちだったと思います。マークンもナーチャンもそうです。もう少しだけこのままの姿でいたかったなあ・・・。

『さあ お別れの時がきたようだね。みんな輪になって右手を前に出して。おじさんの唱える言葉を みんなも一緒に唱えておくれ。そして最後にその右手を思い切り振り上げよう。それでお別れだ。わかったかね。』
みんな顔を見合わせながら大きくうなずき 右手を前に差し出しておじさんの言葉の後に続いて一緒に唱えました。

小さき物の命にも
  心を寄せる優しさが
我らを一つの家族にする
  この地に住む全ての物を家族にする

言い終えて右手を高く振り上げると もりのふるぎやさんも仲間達も全てがあっと言う間に消えてしまいました。
マークンとナーチャンはいつの間にかあの雑木林のクヌギの木のそばに立っていました。
『お兄ちゃん面白かったね。楽しかったね。』
『うん 最高に楽しかったね。』
二人は思わずクヌギの木の幹に抱きつきました。
もうすぐ夏休みも終わります。新しい生活の始まりです。友達がたくさんできるといいですね。
ヒグラシの鳴き声がいつまでも雑木林の中で元気に響いていました。

    ・・・・おしまい・・・・

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