K-02　抜け殻や羽は　森の宝物？

もりのふるぎやさん

お店には　『もりのふるぎやさん』という看板が出ています。
さっき見つけたあの小さなカマキリの抜け殻は　あらあら　お兄ちゃんがしっかり抱きしめていましたが　今では二人の背丈ほどもあります。子供達がスゴクちっちゃくなっちゃんたんですね。
その時後ろから声をかけられました。
振り向いた子供達はその声の主の姿を見て　思わずギャっと悲鳴をあげてしまいました。自分達と同じくらいの大きさのカマキリが立っていたのです。いえ正確に言うと　カマキリの格好をした人間の子どもが立っていたのです。

『君達はたった今きたばかりなんだね。
ワオ―　いい物見つけたね。ぼくの見つけたのはセミの抜け殻だったんだ。あのね　抜け殻とかね羽はね、森の宝物なの。だからそういう物を見つけたら　もりのふるぎやさんの所に持って行くといいよ。君達名前は？』
『ぼくはマークン　こっちはぼくの妹のナーチャンだよ。』『マークンとナーチャンだね。ぼくは今はカマキリだよ。』
そうあいさつをしたカマキリに背中を押されるようにして　二人はそのお店の中に入って行きました。