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12 お母さんが若い女の先生に お説教されちゃった!

國語日報の授業 その3

 この学校に通い始めてから10カ月が経った頃のことでした。妊娠7カ月目を迎えてお腹も大きくなってきたお母さんは 出産の為に日本に一時帰国することにしたのです。学校を辞めなくてはならずその旨を報告した時の事でした。
 その月のクラス担任は大学を卒業したばかりの若い女の先生でした。その先生がお母さんにお説教をしたそうです。
『どうしてそんなに早くに結婚なんかしちゃったの。結婚する前にまだまだ勉強すべきことがいっぱいあったんじゃないの。自分を磨く必要があったはずよ。子供を産んでお母さんになっちゃったら自分のために勉強できる時間なんてほとんどないのよ・・・』
 お母さんのことを自分より年下だと思っていたようです。もしかしたら 十八歳くらいの子供だと勘違いしていたかも。
 実際は何才だったのかって? えっと あの時は確か・・・
オットット言えない言えない これを書くにあたって女同士の約束という物があってその辺はアバウトにしておく必要があるんですよ。
というか どうしてお母さんはこの時本当のことを言わなかったのかしらって思うでしょ。
 何でもその先生があんまり真剣に怒りながらお説教をしたので、本当のことを言いづらくなっちゃったんだって。
 でも何だかとっても嬉しかったみたいですよ。若く見られたことが・・じゃなくて、あっ いや それも確かにあったのかもしれないけど、そうやって国は違っても同じ女性として、その生き方について真剣に意見してくれる人がいたってことが・・・です。
お母さんが思い描く台湾の女性のイメージは どうやらこの時の先生のような強くてしっかりした人のようです。

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